重要土地調査法案が衆院内閣委で可決 与党は今国会で成立目指す
5月28日に開かれた衆議院内閣委員会で、安全保障上の重要施設周辺や国境離島の土地利用を国が調査・規制する「重要土地利用規制法案」が審議された。木原誠二君委員長は質疑終局を提案し、自民、公明、日本維新の会、国民民主の各党の賛成多数で採決され、可決した。与党は来月1日の衆議院本会議で同法案を通過させ、国会で成立させることを目指している。
同法案は、特に機能阻害から保護する必要がある同法案適用対象の「重要施設」の敷地周囲、おおむね1キロメートルを「特別注視区域」に定めることができる。政府は28日の答弁で、自衛隊および防衛省の対象地域候補リストを有するが、「安全保障上の懸念で、我が国の防衛戦略に影響が及びかねない」として、公表していない。また、484島の国境離島についても法案適応対象リストを有しているが、公表は「物理的、法的な侵害を誘発しかねない」として公表していないと回答した。
同法案は、国に対して対象の土地所有者の氏名や国籍、利用実態の調査を行う権限を付与する。「特別注視区域」は一定面積以上の土地や建物を売買する際に、利用目的など事前の届け出を義務づける。違反や虚偽報告には罰則を科す。立憲民主党は20日、土地利用に関する調査に応じなかった所有者への罰則について、条例の削除を求めたが、却下され、原案は可決した。
自民、公明、日本維新の会、国民民主の各党は、付帯決議案を公表した。対象区域の調査は地方自治体の意見を聞くこと、また同法案が定める重要施設の機能の「阻害行為」を明確に定めること、法の施行により信仰や集会、言論の自由が阻害されないことなどを挙げた。付帯決議案も賛成多数で可決した。
(佐渡道世)
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