中国新華社通信、米国で外国代理人を登録

中国国営新華社通信は5日、米司法省外国代理人登録法(FARA)に基づき登録を行ったことがわかった。司法省は2年前に、同通信社に登録を義務付けると通知した。

司法省の公開情報によると、新華社通信米国支局は、国営中央テレビ(CCTV)傘下の中国国際テレビ(CGTN)と中国英字紙・中国日報(チャイナデイリー)に次ぎ、同省で登録を行った3社目の中国政府系メディアだ。

中国政府系メディアによる影響力と発言権の拡大を警戒したトランプ前政権は2018年、CGTNと新華社通信に対して、司法省の登録を督促した。CGTNは19年2月、登録の手続きを行った。

また、FARAの関連文書によれば、20年3月~21年4月まで、新華社通信の北京本社は北米支社に約860万ドル(約9億3648万円)の運営資金を提供した。

11年以降、新華社通信はニューヨーク市のタイムズスクエアにある巨大スクリーンをリースしている。今年2月、同スクリーンに、中国当局は国際社会において、先頭に立ち中共ウイルス(新型コロナウイルス)と戦っているという宣伝を流した。

米議会の米中経済・安全保障問題検討委員会(USCC)は17年の報告書で、新華社通信は中国当局のプロパガンダ宣伝に関与しているだけでなく、「中国指導者のために、国内外の情報を収集し、情報機関としての役割を果たしている」と指摘した。

10~12年まで新華社通信で記者として活動したカナダ人、マーク・ブーリー(Mark Bourrie)氏は、海外にいる中国人反体制活動家の情報を集めるために、同通信社に利用されたと訴えた。

「上司から、ダライ・ラマ14世がカナダのオタワで記者会見を行う件に関して、取材するよう指示を受けた。これと同時に、ダライ・ラマ14世と当時のカナダ首相であるハーパー氏との会談に関する情報を収集するよう上司に言われた」とブーリー氏は大紀元に語った。

ブーリー氏は、その時ダライ・ラマ14世やチベット問題を取材した際に撮影した映像や他の情報は報道に使われず、中国当局の情報機関に渡されたとした。

新華社通信北米支社と司法省は大紀元の取材に応じなかった。

(記者・Cathy He、翻訳編集・張哲)

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