(oddsock/Creative Commons)
≪医山夜話≫ (66)

疾病の成因から養生を論じる

昔の人は養生の道(どう)を理解しています。養生は生命の自己管理法であり、芸術でもあります。養生の道は、人間が天地、自然の運行と変化の規律に従うこと、環境に適応し食を節制すること、および日常生活の規則などを指し、その中でも最も重要なのは道徳を重んじ徳を養うことです。

 外部環境と病気を引き起こす有害な要素を出来るだけ避け、心の平静を保ち、雑念がなくなれば、体の真気は和やかになり「精」と「神」を体内に納めると、病に犯されなくなります。だから、気を楽にして欲を少なくし、心を落ち着かせ、慌てず、たとえ疲れても真気の運行が滞ることなく、筋骨を損ねず元気いっぱいになる、と古人は考えました。

 どんな食物でも美味しくいただき、どんな衣服でも心地良く身につけ、どんな環境にいても満足して楽しむ。そして、金銭、物質、社会地位に対してもこだわらないのは「朴(質素の意)」と称します。「朴」はつまり「本」で、人の欲求をすべて捨て、最も原始的な無邪気に戻ることを「返本帰真」といいます。

▶ 続きを読む
関連記事
夜更かしは肌荒れや記憶力低下だけでなく、免疫や代謝にも影響する。中医学がすすめる4つの回復習慣を取り入れ、体への負担を最小限に抑える方法を紹介。
多くの人が人生の終盤でようやく気づく大切なことを、今から知ることはできます。時間・健康・お金・愛――後悔を減らし、自分らしく生きるための10の教訓を静かに問いかける一篇です。
長引く咳や息苦しさに悩んだことはありませんか。最新医学の現場で注目されるのは、意外にも「毎日の日光浴」。ビタミンDだけでは語れない太陽光の治癒力を、医師の臨床体験と研究から分かりやすく解き明かします。
子どもの学力低下、その一因はスマホかもしれません。最新研究が示すのは、わずかなソーシャルメディア使用増加でも読解力や記憶力に影響する可能性。家庭でできる現実的な向き合い方まで詳しく解説します。
食事をしても力が湧かない原因は、インスリンだけでは説明できないかもしれません。中医学の「脾気不足」という考え方から、代謝とエネルギー低下の正体に迫ります。