米無人偵察機グローバルホーク、日本国内で5月中旬以降に展開=防衛省・外務省

防衛省外務省は7日、情報・監視・偵察(ISR)を任務とする米空軍の無人偵察機RQ-4グローバルホークと米海軍MQ-4Cトライトンを、日本国内に5月中旬以降から約5カ月間展開すると発表した。中国による日本周辺海空域の活動を牽制し、米国による日本防衛の強いコミットメントを示す。

米国はグローバルホークを2014年以降、日本で一時運用させている。毎夏、台風などの悪天候の影響を避けるためにグアムから三沢基地や横田基地に移転運用してきた。今年の5月下旬から横田基地に配備される。トライトンは、グローバルホークを海洋監視用に改良した機種であり、今回初めて日本で展開し、5月中旬から三沢基地に配備される。三沢と横田における米無人機の同時展開は初めて。

両省は発表資料で、無人機の「一時展開は米国による我が国の防衛への揺るぎないコミットメントを示すとともに、海洋監視の強化をもたらし、安全保障にとって有益」と説明している。

また、両省は安全保障を強化する理由に、中国の海洋進出と北朝鮮の瀬取りについて取り上げた。中国空母「遼寧」は太平洋・尖閣諸島周辺で活動し、4月には艦載ヘリを飛行させた。中国は2月、国際海洋法との整合性に問題のある海警法を施行して、海警部隊を恒常的に展開させている。

北朝鮮については、2018年以降、東シナ海の公海上で違法な物資輸送、いわゆる瀬取りの実施が強く疑われる24回の行為を海自哨戒機などが確認していると指摘。日本は国連安保理決議の下、米国などと協力して情報収集を実施するとした。

このほか、日本は2022年9月30日までに、日本向けRQ-4B30iグローバルホークを三沢基地に3機展開する予定だ。グローバルホークを開発・製造する米ノースロップ・グラマン社は4月14日、日本向けの高高度・長期耐久性RQ-4Bの初飛行実験をカリフォルニア州の同社施設で行い、成功したと発表した。

同社ゼネラル・マネージャーのジェーン・ビショップ氏は同日、「グローバルホークは航空自衛隊の任務を支援するために、オンデマンドで情報を日本に提供する」と述べた。

米軍事紙ディフェンス・ニュースによると、RQ-4B30iグローバルホークは日本のミサイル防衛システムを支援するほか、観測・偵察・哨戒活動を行う。

(佐渡道世)

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