2021年4月26日、インド・ニューデリーの中共ウイルスによる死者の火葬場の様子(JEWEL SAMAD/AFP via Getty Images)

中国、医療支援が「感謝されていない」インドに不満

中共ウイルス新型コロナウイルス)の感染が危機的な状況に直面しているインドのモディ首相は4月26日、医療物資の支援についてバイデン米大統領と電話会談を行った。その直後、モディ首相はツイッターに投稿し、米に感謝の意を表した。この謝意表明に中国メディアは猛反発した。

中国ポータルサイト「新浪網」と「網易」は28日、評論記事を掲載した。同記事は、「米国の『遅すぎる』支援に対して、モディ氏はいち早く謝意を表明した」「真っ先にインドに支援を申し出たのは中国だ」「中国は(4月から)3万台以上の酸素濃縮器をインドに送った。モディ氏は今まで『ありがとう』と言ったことがない」と痛烈に批判した。

また、国営新華社通信は26日の報道で、「米国はワクチンの原料輸出統制を続けており、インドの首を締めつけようとしている」と主張した。記事は、「危機的な状況にあるインドに対して、米国がワクチンの原料輸出を禁止したことで、インドはワクチン生産ラインの操業停止という危機にも直面しており、ウイルスとの戦いがさらに困難になっている」と指摘し、米国がインド国民の命を軽視していると印象付けようとした。

しかし、実際のところ、米バイデン政権は25日、ワクチン原料の輸出制限の解除、人工呼吸器、酸素濃縮器、治療薬などの提供、医療専門家派遣などの支援策のほか、インドに対してワクチン生産の金融支援も拡大すると示した。

在米の中国民主化活動家、楊建利氏は米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対して、「中国側の報道を見る限り、中国当局が真摯にインドを支援しようとしているとは思えない。報道は、中国当局のインド政府に対して偉そうに上から物を言う態度が見受けられる」とした。また、同氏は、官製メディアが偽情報を使って、中国国民に向けて米国とインドの関係が悪化している印象を与え、反米感情を助長していると批判した。

米ホワイトハウスは28日、インドに対して、総額1億ドル(約108億円)超の緊急支援を実施すると改めて発表した。30日、インドで不足している医療用酸素濃縮器を中心に、一部の医療物資が米国から到着した。

(翻訳編集・張哲)

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