(Tandemracer/Creative Commons)
≪医山夜話≫ (48)

舌を診る

舌診(舌を診る)は漢方医が患者の病状を診断する時によく使う方法です。全身の病状が明らかでない時でも、舌にはすでにある程度の症状が表れるからです。

 一般的に内傷の患者の場合、陰気が不足すると、舌が小さくなり、赤みを帯びて唾液が少なくなります。陽気が不足すると、舌が少し大きく白っぽくなり、舌苔が薄く潤ってきます。陰気が欠けている場合は、舌の色が白く、微かに青くなったり、黒っぽくなったりし、舌苔は薄く潤います。臨床で最もよく見られるのは、消化不良あるいは風邪をひいた患者で、舌苔が黄色くなっています。これは、体内に熱がこもっていることが原因で、また舌苔が厚いのは消化不良の特徴です。健康な人と病人の舌苔は、違う様相を示します。

 ある日、若い男性が診療所にやってきました。彼は胃腸の調子が悪く、食欲もなく下痢をすると訴えました。病院の検査では何の異常も見つからず、漢方医療を勧められたといいます。彼の舌を診ると、色や厚さ、表面の舌苔は正常で健康的でした。

▶ 続きを読む
関連記事
SNSの利用を1日30分に減らすと、1週間で抑うつや不安、不眠が改善する可能性が研究で示唆。若者のメンタルヘルスとスクリーン習慣の関係を解説。
進行が速く「がんの王」とも呼ばれる小細胞肺がん。それでも転移を繰り返しながら長期生存した例があります。免疫療法や最新検査ctDNAの可能性、見逃せない症状と予防のポイントを医師が解説します。
「食物繊維を増やせば大丈夫」は本当?75件超の臨床試験から見えた、便秘改善に有望な食品とサプリとは。キウイやマグネシウム水など、根拠に基づく最新対策をわかりやすく解説します。
離婚率が高まる今こそ見直したい、古典が教える夫婦円満の知恵。「陰陽の調和」や「琴瑟相和す」に込められた意味をひもとき、現代の結婚生活に生かすヒントを探ります。
忘れっぽさは年齢のせいだけではないかもしれません。脳には「夜の清掃システム」があり、睡眠や食事、運動でその働きを高められる可能性があります。アルツハイマー予防につながる最新知見と具体策を解説します。