古代中国の物語
嘘を書き続けた官僚
誰もが気軽に文章を発信できる現代のネット社会。便利な側面がある一方、悪口や誹謗中傷のコメントも目立ちます。「ペンは剣よりも強し」という言葉がありますが、ペンの使い方を誤れば、相手を傷つけた分だけ報いがやってきます。因果応報の理を説いた古代中国の物語をご紹介しましょう。
宋の時代、宰相を務めていた章惇(しょう・とん)には、たくさんの政敵がおり、頭を悩ませていた。そこで、彼は自分の腹心を中書省(皇帝の勅令を起草する中央官庁)に置き、自分の都合のいいように文章を書かせて、政敵を倒そうと考えた。
中書省には、林希(りん・き)という中書舎人(古代の官職)がいた。章惇は人づてに紹介された林を大変気に入り、自分の口述通りに文章を書くならば、必ずや出世させると言った。一生うだつがあがらないと思っていた林は、またとない機会だと喜び、章の言う通りに勅令を起草することを約束した。
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