【歌の手帳】春の夜の戯れ
春の夜の夢ばかりなる手枕(たまくら)にかひなく立たむ名こそ惜しけれ(千載集)
歌意「春の短い夜に見る夢のように、小さなお戯れで、すっと差しだされたのは貴方の腕枕。実際、貴方に恋をしたわけでもないのに、きっと噂に立つであろう貴方と私の浮名が、惜しく思われますことよ」。何やら妖艶な雰囲気の一首のように見えますが、実は本当の男女の情愛の場面を詠ったものではなく「春の夜のお戯れ」なのです。
作者は周防内侍(すおうのないし)平安後期の女流歌人です。どんな場面でこの歌を詠んだかといいますと、およそ以下の通りです。「旧暦2月(だいたい今の3月)月の明るい夜、二条院には多くのやんごとなき人が集い、物語りなどしながら楽しく過ごしていました。身分の高い女性は、もちろん御簾(みす)のなかにいます。周防内侍も御簾のなか。ふと眠気を覚えて、枕はないかしらと小声でつぶやくと、それを耳ざとくとらえた大納言(藤原忠家)が、では我が腕を手枕になされませ、と御簾のうちへ腕を差し入れた。なんというお戯れ。ならば、こちらも戯れ歌でお返し申しましょう、ということで詠んだ歌」。
関連記事
太陽光は、気分に関わる脳内物質や体内時計、ビタミンDの生成に関係しています。安全に日光を浴びることは、心の健康や睡眠を支える習慣の一つです。
器具もジムも不要。家にある枕ひとつで全身を鍛えられる5つのエクササイズを理学療法士が紹介。寝る前や起き抜けに、ベッドの上からでも始められます
コーヒーは体に良いのか、悪いのか。アメリカ心臓協会は、成人のカフェイン摂取量と心臓への影響について新たな見解を示しました。
中医学では、顔色、目の下のクマ、唇や舌の色、あご周りの変化などを、体調を知る手がかりの一つと考えます。診断ではなく、健康を見直すサインとして紹介します。
音や音楽は、気分だけでなく心拍やストレス、睡眠にも関わる可能性があります。音楽療法と音による癒しの違い、日常での取り入れ方を紹介します。