【漢詩の楽しみ】暮 春(ぼしゅん)
數間茅屋鏡湖濱、萬巻藏書不救貧、燕去燕來還過日、花開花落即經春、開編喜見平生友、照水驚非曩歳人、自笑滅胡心尚在、憑高慷慨欲忘身
数間の茅屋(ぼうおく)鏡湖(きょうこ)の浜(ひん)、万巻の藏書貧を救わず。燕は去り燕は来りて還(ま)た日を過ごし、花は開き花は落ちて即(すなわ)ち春を経たり。編(へん)を開けば平生の友を見るを喜び、水に照らしては曩歳(のうさい)の人に非(あら)ざるを驚く。自ら笑う、胡を滅するの心尚(なお)在りて、高きに憑(よ)れば慷慨(こうがい)して身を忘れんと欲するを。
詩に云う。小さくて粗末な我が家は、鏡湖のほとりにある。そこに万巻の書物はあるけれど、それがこの貧乏を救う助けになりはしない。昨秋去った燕が今春また帰ってきたように、私も無駄に日を過ごすなかで、花が咲き、花が落ちて、これで今年の春も過ぎた。書物の一編を開けば、そこに平生の親しい友人を見るように喜ぶが、水に我が顔を映せば、年老いて、まるで昔の自分ではなくなっているのに驚くばかりだ。我ながら、おかしくなる。北方の夷(えびす)を撃滅せんとする士気が、この老いぼれの体内にまだあって、高い所に登った折などには、慷慨のあまり、我が身のことなど忘れてしまおうとするのだよ。
関連記事
SNSの利用を1日30分に減らすと、1週間で抑うつや不安、不眠が改善する可能性が研究で示唆。若者のメンタルヘルスとスクリーン習慣の関係を解説。
進行が速く「がんの王」とも呼ばれる小細胞肺がん。それでも転移を繰り返しながら長期生存した例があります。免疫療法や最新検査ctDNAの可能性、見逃せない症状と予防のポイントを医師が解説します。
「食物繊維を増やせば大丈夫」は本当?75件超の臨床試験から見えた、便秘改善に有望な食品とサプリとは。キウイやマグネシウム水など、根拠に基づく最新対策をわかりやすく解説します。
離婚率が高まる今こそ見直したい、古典が教える夫婦円満の知恵。「陰陽の調和」や「琴瑟相和す」に込められた意味をひもとき、現代の結婚生活に生かすヒントを探ります。
忘れっぽさは年齢のせいだけではないかもしれません。脳には「夜の清掃システム」があり、睡眠や食事、運動でその働きを高められる可能性があります。アルツハイマー予防につながる最新知見と具体策を解説します。