聖火ランナーを出迎えた野馬追の騎馬武者(Photo by PHILIP FONG/AFP via Getty Images)
【伝統文化】

聖火に映える騎馬武者の雄姿 福島で聖火ランナー出迎え

25日、甲冑を身にまとった「相馬野馬追」の勇ましい騎馬武者たちが、南相馬市の雲雀ケ原祭場地で東京五輪聖火ランナーを出迎えた。聖火リレー2日目の26日には、野馬追の出陣式が行われる福島県相馬市の相馬中村神社からスタートした。

国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」は、福島県相馬地方の伝統行事。相馬野馬追執行委員会の担当者によると、騎馬武者が身に着けている甲冑はすべて代々受け継がれてきたもので、修理をしつつ着用しているとのこと。また、全国から甲冑が集まっていることもあり、地域で保管している甲冑の数は2千~3千領に達する。

地域では馬の飼育も盛んであり、毎年の野馬追に出場する約400頭のうち、地域で飼育しているのは半数の200頭あまりだ。

福島県の聖火ランナーで、プロサーファーの佐藤広さんは東京五輪の取材で「馬に乗れる人が他の街より多く、オレの馬はカッコいいぞ、と自慢したりする。そんな街」と語っている。佐藤さんは南相馬市で東日本大震災の津波により被災。実家のある飯舘村も原発災害で全村避難となり、千葉県に移り住んだ。2017年に帰郷し、子どもたちにサーフィン指導を行っている。

騎馬武者の雄姿(Photo by PHILIP FONG/AFP via Getty Images)

佐藤広さんは「中止にならず聖火リレーができて良かった。沿道にサーフィンを教えているお子さんたちが来てくれて、手を振ってくれたのが印象的でした」と東京五輪の取材で語っている。使用されたトーチは、浪江町の施設で製造された水素を燃料とする「水素トーチ」だ。

相馬野馬追は、平将門が合戦の訓練として野馬を放ったことが起源とされている。担当者によると、野馬追の行事は例年7月下旬に3日間かけて行われ、一昨年は16万人もの来場者でにぎわったという。しかし、新型コロナウイルスの影響により、昨年度は無観客で開催した。担当者は取材に対し、「野馬追は観光資源でもあるから、無観客は地域経済に打撃となった」と述べた。

相馬市は、「相馬野馬追は、地域の安寧と平和を願う神事とされ、一千有余年の歴史があり、これまで飢饉(ききん)や震災などに襲われても、規模を縮小するなどして開催してきた」と、行事の意義を強調している。2021年度の予定は未発表。

(王文亮)

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