自分の利益を顧みない

手柄を君主に捧げる名宰相

春秋時代の斉の君主・斉景公は大規模な建築物を建てることを決め、多くの民衆は朝から晩まで働かされた。真冬になり、寒さが厳しくなっても工事は停止することがなく、民衆の不満は高まっていた。民衆は宰相・晏子(イェン・ツ)が斉景公へ進言することを期待し、外遊からの帰国を待ち望んでいた。

数日後、帰国した晏子に民衆がこぞって苦情を訴えた。晏子はまず斉景公に外遊の報告をした。斉景公が晏子にもう少し居るようにと言うと、晏子から一曲差し上げましょうと話し、歌い出した。

「不満をつのらせた民衆は心を晴らすところがなく、

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