<心の琴線> いつ帰ってくるの?
母はすっかり年をとり、子どものように駄々をこねるようになった。電話では、いつもうれしそうに、「いつ実家に帰って来るの?」と聞いてくる。
母の家は千里以上離れているうえ、3回も乗り継ぎをしなければならない。仕事や子どもの世話だけでも大変なのに、ましてや実家に帰るなんて・・・。耳が遠い母に私は根気良く説明するが、母は何度も聞いてくる。「いつ実家に帰れるの?」
ついに我慢できず、私が大声を出すと、母は黙って電話を切った。何日か過ぎて、母はまた同じことを聞いてきた。しかし、今度はなぜか語調が沈んでいる。まるであきらめない子どものように、聞いてもだめだと分かっていても聞いてくる。私は心を落ち着けて、黙っていた。
関連記事
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。
むずむず脚症候群はパーキンソン病リスクと関連する一方、治療薬が発症を抑える可能性も示されました。最新研究が明かす両疾患の意外な関係と、正確な診断の重要性を解説します。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
透析患者の命を脅かす心筋梗塞リスクを、魚油が大きく下げる可能性が示されました。大規模臨床試験が明らかにしたオメガ3の効果と注意点を解説する注目の研究報告です。
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。