米国務・国防長官が日韓訪問へ 「中国けん制のため」との見方も
米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は、15~17日の日程で日本を訪問する。両長官は茂木外相と岸防衛相とともに、日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催する。訪日後、両長官は韓国を訪ね、同じく米韓2プラス2に出席する。米専門家は、両長官の日韓訪問は、中国をけん制する目的だとの見方を示した。
米国防総省は10日の声明で、両長官の日韓訪問を通して、「中国との長期的な競争に直面している中」、東アジアにおける同盟関係の強化を目指すとした。
国防総省インド太平洋安全問題担当次官補、デービット・ヘルヴェイ( David F. Helvey)氏とインド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官(Philip Davidson)は、10日の下院軍事委員会の公聴会に出席した。両氏は、インド太平洋における中国当局の軍事力拡大を指摘し、米国と同盟国への脅威が強まっていると警告した。
ブリンケン国務長官とオースティン国防長官の日韓訪問は、バイデン政権が発足後、閣僚の初めての外遊となった。
米シンクタンク、ハドソン研究所政治軍事分析センターのリチャード・ワイツ(Richard Weitz)博士は、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対して、両長官の日韓訪問で「中国に送りたいメッセージは明白だ」と話した。
同氏は、両長官の訪問の主な目的は「同地域におけるバイデン政権の優先課題を議論し、同盟国側の意見を聞くことにある」とした。日米韓の閣僚は、中国への対応のほかに、北朝鮮問題についても意見交換を行うとみられる。
12日、インド太平洋地域の外交・安全保障の連携枠組み、日米豪印戦略対話(通称、クアッド)の初の首脳級会合が開催された。4カ国の首脳はオンライン形式で出席し、軍事的、経済的に台頭する中国を念頭に、4カ国の連携強化を確認した。
また、ブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は18日、米アラスカで、中国当局の外交トップである楊潔篪・共産党政治局員と王毅・国務委員兼外相と会談する。バイデン政権が開始以来、米中の外交トップが直接会談するのは初めてのことだ。
ワイツ氏は、両国高官の直接接触で、今まで不明瞭なバイデン政権の対中政策、または対中姿勢を伺えるとした。
一方、中国経済学者の程暁農氏は11日、大紀元への寄稿で、バイデン大統領の対中政策は「二面性がある」と指摘した。
「大統領は中国問題において、ポリティカル・コレクトネス派の価値観と米国の国家安全保障の間で揺れており、迷っている」
(翻訳編集・張哲)