【漢詩の楽しみ】寄黄幾復(黄幾復に寄す)
我居北海君南海、寄鴈傳書謝不能、桃李春風一杯酒、江湖夜雨十年燈、持家但有四立壁、治病不蘄三折肱、想得讀書頭已白、隔渓猿哭瘴煙藤
我は北海に居(お)り君は南海。雁(かり)に寄せて書を伝えんとするも能わざるを謝す。桃李(とうり)春風(しゅんぷう)一杯の酒。江湖(こうこ)夜雨(やう)十年の灯(ともしび)。家を持(じ)せども但(た)だ四立(しりつ)の壁有るのみ。病を治すに三たび肱(ひじ)を折るを蘄(もと)めず。想(おも)い得たり、読書せる頭(かしら)已(すで)に白からん。渓(けい)を隔てて、猿は瘴煙(しょうえん)の藤に哭す。
詩に云う。私は北海のほとりに居り、君は南海にいる。故事にならって雁に手紙を託したいのだが、それも叶わず、君には申し訳ない気持ちだよ。今思い出すのは、うららかな春の日に、二人して桃や李(すもも)の花の下で酒を酌み交わしたことだ。以来、郷里の江西を離れて十年、それぞれ別れたままになったが、あの雨夜にともされていた古家の灯火は、まだ人がいて、ともされているだろうか。私は今こちらで家を持ち、なんとか生活を維持しているが、漢の司馬相如のように、部屋になにもない貧乏暮らし。世渡り下手という病を治すため、肘を三度も折るような無駄な苦労はせずともよいはず。そこで、ふと君のことに思い至ったよ。君の頭は、もう白髪になっていよう。そっちの南方によくある、わるい霧の立ち込める谷川の向こう側で藤にすがって啼く猿の金切り声でも聞きながら、君はまだ読書に励んでいるだろうがね。
関連記事
卵には、記憶に関わる神経伝達物質の材料となるコリンや、脳を支える栄養素が含まれます。認知機能低下やアルツハイマー病予防との関連を、研究と食事の視点から紹介します。
血糖コントロールでは、食事の内容だけでなく食べる順番も重要です。たんぱく質を先に食べることで満腹感や血糖上昇の緩和に役立つ可能性があり、その仕組みを紹介します。
股関節の痛みは筋肉の弱さやアライメントの乱れが原因のことも。バタフライストレッチ・グルートブリッジ・チェアスクワットなど、自宅で寝ながらできる5種目を理学療法士が解説します
パスポート写真で求められるのは、笑顔よりも「本人と確実に照合できる顔」です。なぜ無表情が基本なのか、顔認識技術や国際基準の背景から、申請で失敗しない写真のポイントを解説します。
中医学の五行説では、怒りや心配、不安などの感情は体内の気の流れと関わると考えられています。木・火・土・金・水の視点から、心身のバランスを整える知恵を紹介します。