米上院、「孔子学院法案」を全会一致で可決 「大学での言論自由守る」
米上院は4日、中国当局の対外プロパガンダ機関である孔子学院の米大学での影響力を取り除くための法案、「米大学への外国資金提供に関する懸念(Concerns Over Nations Funding University Campus Institutes in the United States)」を全会一致で可決した。
同法案は、キャンパス内に孔子学院を設置する大学に対して、大学側が孔子学院の活動、孔子学院が提供した資金、スタッフの採用などを独立管理することを規定する。違反した場合、大学は連邦政府の助成金の受給資格を失う。
孔子学院法案(CONFUCIUS Act)とも呼ばれる同法案は、共和党のジョン・ケネディ上院議員(ルイジアナ州選出)によって提出された。昨年6月にも上院で、全会一致で可決された。
ケネディ議員は4日の上院会議で、孔子学院は「(受講した学生が)ウイグルやチベット、香港、天安門事件についての発言を許していない」と批判した。また、議員が発表した声明で、「孔子学院はその名前を除いて、すべて中国共産党の支配下にある。彼らは学術の自由と言論の自由を平然と脅かすプロパガンダ宣伝機関である」と痛烈に非難した。
議員は、同法案によって米大学の孔子学院に対する完全な管理権を取り戻し、キャンパス内の言論の自由を守ることができるとした。
「孔子学院法案を下院でも可決し、大統領の署名に進めることを望む」と議員は同法案の成立に向けて下院議員に呼びかけた。
トランプ前政権は孔子学院の締め出しを強化していた。前政権は昨年、ワシントンDCの孔子学院米国センターを「外交使節団」と認定した。全米学識者協会(NAS)によると、今年2月17日時点で、米国内には少なくとも55の孔子学院がある。うち48の孔子学院は大学内に設置されている。また、2月17日まで、64カ所の孔子学院が閉鎖された、または閉鎖中となっているという。
上院の常設調査小委員会(Permanent Subcommittee on Investigations)が2019年に公表した報告書によれば、2006~19年まで、中国共産党政権は孔子学院を通して、米大学などに1億5800万ドル(約171億円)以上の資金を提供した。
一方、ユタ州下院は2日、州内のユタ大学とサウスユタ大学に対して、校内の孔子学院を閉鎖するよう求める決議案を可決した。
(翻訳編集・張哲)