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【歌の手帳】東風吹かば

  東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ(大鏡)

 日本は、自国ながら、なんとも興味深い国です。神話の昔より、多神であることが当たり前でした。それはそれで、人々の身近に八百万柱もおわしますので結構なことですが、後世になると、本地垂迹(ほんじすいじゃく)という大胆すぎる発想転換によって、なんと仏教と神道をくっつけてしまう荒技を演じました。

 さらには歴史上に実在した人間を、その生前の功績や武勲によって、死後に「かみさま」として祀ったりもしました。こうなると、純粋な信仰というより政治的作用が大きいかと思われますが、日本人はその点に不思議なぐらい寛容で、ほとんど違和感を持たないばかりか、自家のお墓よりも頻繁にそうした神社に多くの人が参拝しています。

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