2012年10月21日、インドのアルナーチャル・プラデーシュ(Arunachal Pradesh)州の中印国境地域で警戒をしているインド軍兵士(BIJU BORO/AFP via Getty Images)

中国、中印衝突死者数を批判の有名ブロガーを逮捕 テレビ自白も公開

中国江蘇省南京市人民検察院(地検)は1日、市警察当局が2月20日に拘束した著名なブロガー、仇子明氏(38)を「英雄烈士の名誉を傷つけた」として正式に逮捕したと発表した。「英雄烈士への侮辱罪」に関する中国刑法修正案は、1日に発効したばかりだ。中国官製メディアは同日、仇氏の「テレビ自白」を放送した。

中国当局は2月19日、昨年6月の中印両軍の衝突で中国軍兵士ら5人が死傷したと発表した。これを受けて、SNS微博(ウェイボー)で250万人のフォロワーを持つ仇氏(ユーザー名は辣筆小球)を含む複数の市民はネットで、当局が発表した死傷者数に疑問を呈した。

微博は19日当日、「英雄を中傷する投稿を行った」として、仇氏のアカウントを1年間停止する措置を取った。南京市警察は20日、「悪意に事実をわい曲し、違法な言論を行った」として、仇氏を刑事拘留した。25日、警察当局は地検に対して同氏の逮捕を承認するよう求めた。

今月1日、最高人民検察院(最高検)の機関紙・検察日報はネット上で、「辣筆小球」の自白映像を公開した。国営中央テレビも同日夜7時の時事番組で、同氏の自白映像を1分間放送した。

映像の中で、仇氏の顔はモザイク処理され、囚人服を着ていた。同氏は、自分の投稿について「道徳心のない行為だ」「とても後悔している」と話した。

中国当局は2月下旬、中印衝突の中国軍死傷者発表を批判した仇氏を含めた7人に対して拘留し、または指名手配した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。