米最高裁、投票不正をめぐるパウエル氏の訴えを却下
米連邦最高裁は1日、米大統領選挙の投票結果に異議を唱えたシドニー・パウエル弁護士の訴え2件を却下した。
最高裁は、「職務執行令状(writ of mandamus)の請願書(petitons)を却下した」と公表し、理由などについてコメントを発表していない。
パウエル氏はウィスコンシン州とアリゾナ州の選挙結果について、それぞれ訴訟を起こした。同氏は、うち1通の請願書において「当裁判所に直接、職務執行令状を出すことを求めるのは珍しいが、しかしその根拠はある」「公共の重要な問題が絡んでいる場合、または当裁判所がそのような問題に措置を講じるのに特に適切な場合には、当裁判所がそのような措置をとるべきである」との見解を示した。
パウエル氏は2日、SNSテレグラム(Telegram)で、最高裁の決定についてコメントを公開した。同氏は「大規模な選挙不正と複数の憲法違反に対処すべきだった最高裁の失敗によって、政府の3つの部門(三権分立)は腐敗というシンクホールに陥れられる」「法の支配、米国の未来、そして世界中の自由を愛する人々にとって絶対的な悲劇である」と述べた。
パウエル氏は1月19日、最高裁で起こしたジョージア州の選挙結果に関する訴訟を撤回した。同月下旬、新政治団体「共和国復活(Restore the Republic、PAC)」を設立した。同団体の立ち上げに関して、同氏は「アメリカの人々は、政党の自己利益やハイテク巨人の支配を拒絶し、そして偽ニュースの嘘を暴露するために声を上げるに値する」と示した。
1月6日に米議会議事堂への乱入事件が発生した後、SNS大手のツイッターはパウエル氏などの保守派活動家のアカウントを一時停止した。
一方、投票機メーカーのドミニオン社は1月、名誉を毀損したとして、パウエル氏を相手取り13億ドルの賠償を求める訴訟を起こした。同社は、トランプ前大統領の弁護士であるルディ・ジュリアーニ氏らにも同様な訴訟を起こした。
(翻訳編集・張哲)