中国新華社、NYタイムズスクウェアで「中国がウイルスとの戦いを主導」と広告

中国国営メディア新華社通信はこのほど、ニューヨークタイムズスクエアのスクリーンに「中国が中共ウイルス(新型コロナ)との戦いで世界を主導している」という内容の広告を出した。中国は今月、ウイルスの起源を調査するために武漢を訪れていたWHOに対して、生の患者データの共有を拒否していた。

中国共産党の代弁者である新華社通信は、2011年からタイムズスクエアで大型スクリーンをリースし、中国政府のために宣伝活動を行っている。

最近の広告では、「中国は80以上の国と地域を支援した。これからも国際社会と協力してウイルスと戦い続ける」などと主張し、イタリア、韓国、日本などの写真を載せている。

複数の報道によると、WHO関係者や調査チームの専門家らは、中国政府が中共ウイルスの起源調査への協力に抵抗し続けていると不満を表明した。

バイデン政権の国家安全保障担当補佐官ジェイク・サリバン氏は、WHOが武漢での調査を終えた後の声明で、「私たちは、COVID-19の調査における初期の調査結果がどのように伝えられたのかについて、深い懸念を抱いている。また、調査結果に至るまでのプロセスについても疑問がある」「このパンデミックをよりよく理解し、次のパンデミックに備えるために、中国は感染拡大の初期のデータを公開しなければならない」と述べた。

サリバン氏はCBSのインタビューで、「このパンデミックがどのようにして中国で、そして最終的には世界中に広がったのかについて、我々は中国が十分な生のデータを提供したとは考えていない。WHOも中国もこの問題に関して、さらに努力すべきだと思う」と語った。

海外の中国語メディアの報道によると、一部のネットユーザーは新華社通信のタイムズスクエアでの広告にコメントした。あるコメントは、「欧米諸国が中国で民主主義の広告を出すことはできないが、中国は欧米諸国で嘘を広め、広告が所在する国に恥をかかせることさえできる。欧米諸国はこの抜け穴を塞ごうとしていない。(中国共産党から)お金をもらうことだけに目を向けていると、惨めな結末を迎えることになる」と書いている。

タイムズスクエアの新華社通信の広告に関して、リック・スコット米上院議員(共和党・フロリダ州)は、「中国共産党が嘘とプロパガンダを流すのを許してもいいと思ったのは誰だ?タイムズスクエアがいわゆる『チャイナ・スクリーン』を中止する時が来た」とツイッターに書いた。

 

FOXニュースの報道によると、タイムズスクエアにあるこの「チャイナ・スクリーン」は、シャーウッド・エクイティの子会社であるシャーウッド・アウトドア(Sherwood Outdoor)が所有し、新華社通信がリースしている。契約期間や更新の有無は不明だ。

中共ウイルスは2019年12月までに中国武漢で発生した。2021年2月25日現在、世界中で1億1298万人が感染し、250万人が死亡している。中国政府の統計は不透明なため、中国の感染者・死亡者数は操作されていると見られる。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]