2020年1月31日、トランプ大統領(当時)の弾劾裁判でワシントンの連邦議会議事堂に到着したテッド・クルーズ上院議員(共和党・テキサス州)(Mandel Ngan/AFP via Getty Images)

米両党議員が批判 ロビンフッドの複数銘柄の取引制限めぐり

米個人投資家向け株式投資アプリ、ロビンフッドRobinhood)がゲームストップGameStop)などの銘柄の取引を制限した動きを受け、米両党議員は28日、ロビンフッドを非難した。ゲームストップは、個人投資家が協力してウォール街のヘッジファンドに反撃し、株価が急騰している。

ゲームストップは従来型のビデオゲーム小売チェーンだ。ヘッジファンドは経営が悪化した同社を空売りの対象にしたが、個人投資家らがこれに反発し、オンラインで団結してゲームストップ社の株を購入した。同社の失敗に賭けたヘッジファンドは数十億ドルの損失を強いられることになった。

今回の動きは、米オンライン掲示板のレディット(Reddit)のフォーラム、「Wall Street Bets」に集まる個人投資家の呼びかけがきっかけとなった。480万人以上のメンバーを持つ同フォーラムは、資産運用総額120億ドル以上のヘッジファンド、メルビン・キャピタル(Melvin Capital Management)がゲームストップで膨大な空売りを行っていることに気づいた。買いを呼びかける投稿が殺到し、株価が乱高下した。

スタートアップ投資家のシャーン・プリ(Shaan Puri)氏によると、メルビン・キャピタルはゲームストップ株の下落に5500万ドル以上を賭けていた。同フォーラムのメンバーたちは、メルビン・キャピタルの逆に賭けてゲームストップ株を買い始めた。

その結果、ゲームストップの株価は1月初めの17ドルから、1月14日には40ドル近くまで急騰し、1月27日には300ドルを超えた。投資分析のS3パートナーズ社によると、ゲームストップの空売り筋は、今年これまでに197億5000万ドルの時価損失を被った

ロビンフッドは28日(現地時間)、「最近の株価乱高下を考慮し」、ゲームストップ、ノキア(Nokia)、ブラックベリー(BlackBerry)、AMCなどの銘柄の取引を制限したと発表した。

この発表は米共和党と民主党の両党議員の批判を招いた。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)下院議員(民主党・ニューヨーク州)はツイッターの投稿で、「これは容認できない。個人投資家の株式購入をブロックし、ヘッジファンドが自由に株を売買できるようにした@RobinhoodApp(ロビンフッド)の決定について、もっと知る必要がある」と書いた。

これに対してテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員(共和党・テキサス州)はツイッターで、オカシオ=コルテス議員のメッセージを引用し、「完全に同意する」と投稿した。

トランプ前大統領の息子であるドナルド・トランプ・ジュニア氏と、ラシダ・タリーブ(Rashida Tlaid)下院議員(民主党・ミシガン州)などが議論に参加した。

「これは馬鹿げている」とタリーブ議員はツイッターに書き込んだ。「(ロビンフッドは)ウォール街のヘッジファンドを守るために取引を妨害し、ユーザーから何百万ドルも盗み、何十年もの間、株式市場をカジノとして利用してきた人々を守っている」

「ウォール街のヘッジファンドの仲間を守るために、大手ハイテク企業、大きな政府、メディアが行動を起こし、共謀し始めるまでに1日もかからなかった」とトランプ・ジュニア氏は書いた。「皆さん、これが操作されたシステムだ!」

ロビンフッドはその後、「状況を監視しつつ、翌29日からこれらの銘柄の限定購入を許可する」と発表した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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