トランプ米大統領はワシントンに集まった抗議者に帰宅を呼びかけた。写真は6日、議事堂前を警備する武装警察(BRENDAN SMIALOWSKI/AFP via Getty Images)

トランプ米大統領、抗議者に帰宅呼びかけ 一部は議事堂に侵入

ドナルド・トランプ米大統領は6日、上下両院合同会議中に連邦議会議事堂付近に集まった抗議者らに対し、2020年大統領選には不正があったとの主張を維持しつつ、帰宅を呼び掛けた。

「今すぐ家に帰りなさい。私たちは平和を維持しなければならない。私たちは法と秩序、そして敬意を法(執行機関)に持たなければならない」とトランプ氏はSNSに投稿した短いビデオ演説で語った。

「あなたたちを愛している。とても特別な存在だ。気持ちはわかっている」と付け加えた。

合同会議に先立ち、「米国を保護する行進」やトランプ支持の集会が開かれ、数万人が集まった。抗議者の一部は、連邦議会の議事堂に侵入した。撮影された映像や写真によれば、議長席に立ったり、議員の席に座る抗議者もいた。議事堂内では撃たれた支持者とみられる女性1人が死亡した。警察は発砲者が不明だと発表した。

1月6日開催の上下院合同会議では、大統領選の結果を承認する儀礼的手続きが行われる予定だったが、一時中断された。手続きは同日午後8時(日本時間7日午前10時)に再開する見通しだ。

ワシントンは6日午後6時(日本時間7日午前8時)から12時間の外出禁止令が出され、厳戒態勢が敷かれている。

共和党と民主党のほとんどの議員は、この事件を非難し、退去を呼びかけた。ナンシー・ペロシ下院議長、チャック ・ シューマー上院少数党院内総務、ジョー・バイデン前副大統領は、トランプ氏に対して、支持者たちを議事堂および議会敷地内から離れるよう呼びかけを求めた。

バイデン前副大統領は午後4時頃、テレビ演説を行い、議場への侵入が起きた今回の出来事は「反乱」であり「扇動に近い」と形容した。

マイク・ペンス副大統領も、SNSで暴力行為を非難した。「平和的な抗議はすべての米国人の権利だが、我々の国会議事堂へのこの攻撃は許されず、関係者は最大限の法的な範囲で起訴されるだろう」

今回の騒動を受けて、州兵は連邦議会議事堂に集まり、デモ隊を排除した。ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官は声明で「我々は暴力に反対し、平和的な状態を維持するというトランプ大統領の呼びかけを強調する」と発表した。

(JACK PHILLIPS/翻訳編集・佐渡道世)

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