安徽省で少女が入水自殺 警察が水に入るのを躊躇して救わず

安徽省安慶市望江県で12月4日、17歳の少女が川で入水自殺を図った。警察官数人は水に入ることをためらって対応が遅れ、少女は死亡した。いっぽう、重慶では11月、川に転落した女子大生を偶然居合わせた61歳の英国領事が即座に飛び込み救助している。「あの日、英国領事はいなかった」と中国ネットユーザーは警察官の不対応を皮肉った。

12月4日、望江県の女子高校生が川岸から水に入った。その様子を川岸にいた住民が撮影している。それによると、駆けつけた警察官は高校生に岸に戻るよう説得を続けている。

やがて女子高生の姿は深水部に入り、自ら岸に戻ろうとしないことから、岸辺の住民たちは5〜6人いた警察官に「急いで!助けて!」と叫んだ。警察官らは人の鎖を作り救出を試みたが、間も無く少女の姿は水の中に消えた。

一連の流れを捉えた動画がネットに投稿されると、警察官の怠慢さに批判が集まった。しかし、12月6日、北京日報は浙江省金華市公安局のSNS微博の公式アカウントの書き込みを引用して「警察は人間であり神ではない。職業の限界もある」 「自分の命を大切にしない人は、天にも戻れない」 「近くにいる人々は動画を撮影したり、傍観したりする時間があるなら、応急措置や制止をするべきだ」と逆に住民を批判した。のちに、この書き込みは削除された。

中国ネットユーザーは官製メディアの報道に切り返した。中国国内メディアで伝えられている事故で同様な状況が起きているとし「困ったことがあったら警察を呼んで、という耳慣れたセリフだが、現実にはそうはいかない(訳注・警察は助けには来てくれない)だろう」。

別のユーザーは、中国国内ではこうした防げたはずの事故が相次いでいると指摘。警察官は訓練と教育が不足しており、突発的な事故対応ができないと書いた。

いっぽう、11月のある外国人による救出劇を引き合いに出すユーザーもいる。当時、重慶近くの著名な観光名所・中山古鎮で、24歳の女子大学生が誤って川に転落した。川の流れは速く、多くの人々が救助をためらう中、一人の白髪の西洋人男性が川に飛び込み学生を救助した。のちに、男性は重慶の英国総領事館トップ、ステファン・エリソン総領事であることがわかった。

トライアスロンに参加経験のある61歳のエリソン領事は、水の中で学生の体を反転させて呼吸ができるようにし、急斜面の川岸まで泳いだ。英国現地紙に「彼女は意識がなく、呼吸もしていなかったので、最悪の事態も考えた。しかし、引き上げられると呼吸が回復した」と語った。駐北京英国大使館はエリソン領事の勇気ある行動に「私たちはあなたを誇りに思う」と中国SNS微博でコメントした。

12月の事故を受けて、11月の救出劇を回想したあるユーザーは「あの日、英国領事はいなかった」と書き込んだ。

(翻訳編集・佐渡道世)

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