日本ウイグル国会議員連盟が再始動 人権状況改善求める国会決議の採択目指す
中国政府によるウイグル族への人権弾圧の状況改善を求める、自民党有志の「日本ウイグル国会議員連盟」は11月18日、国会内で3年ぶりとなる総会を開いた。中国共産党政府による人権弾圧を非難し、状況改善を求める国会決議の採択を目指す。
長尾敬事務局長は総会で、在日ウイグル人らによる中国国内の強制収容所での実態、また海外在住のウイグル人に対する電話やソーシャルサイトを利用した脅迫について参加議員らと共有した。
また、次の総会では、日本の「対中政策に関する列国議会連盟」でも検討されている、人権侵害者に対する資産凍結などの制裁を科す日本マグニツキー法についても議論していくとした。
ウイグル族の信仰や文化の侵害のほか、中国の気功法・法輪功の学習者やチベット族のように、臓器移植のために本人の意思に反して強制的なドナーとなっているとの報告がある。長尾議員は、こうした臓器移植問題についても同議連の議題に組み入れる選択肢として検討するとした。
中国西部の新疆ウイグル自治区では、少なくとも100万人以上のウイグル族が強制収容施設に移送され、信仰の放棄や労働を余儀なくされていると国際機関やジャーナリストの報告が複数出ている。中国政府は、これらを「職業訓練センター」として、正当性を主張している。
加藤勝信官房長官は同日午前の記者会見で、ウイグル自治区での人権問題に関し「自由、基本的人権の尊重、法の支配が中国でも保障されることが重要」として、懸念を持って注視すると述べた。
ウイグル議連は2012年4月に自民党本部で結成された。外務省や安倍晋三氏、黄文雄氏、三原じゅん子氏、古屋圭司氏、衛藤晟一氏、新藤義孝氏ら50人が参加している。このほど、メンバーを一新して衆議院議員・古屋圭司氏を代表、衆議院議員・長尾敬氏を事務局長に迎え、再始動した。
中国人権問題に積極的に取り組むトランプ米政権のポンペオ国務長官は、11月8日、中国の新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族などへの弾圧に関与した中国政府の当局者などに対して、米国入国ビザを制限すると発表した。
(佐渡道世)