包商銀行、劣後債約1100億円以上を棒引き、中国金融史上初めて
2019年中国当局に接収された内モンゴル自治区の金融機関、包商銀行は11月13日、同行が発行した劣後債「2015年包商銀行股份有限公司二級資本債券(以下、2015包行二級債)」の元本について、全額「棒引き」することを発表した。同債券の総額は65億元(約1028億円)。中国金融史上、初めてのことだ。
中国メディアによると、包商銀行は13日、中国金融情報サイト「中国貨幣網」で公表した。同銀行は12日に、中央国債登記決済有限責任公司(CCDC、銀行間債券市場の証券決算機関)に通知を送り、棒引きの施行日に債権の取り消し登記手続きを行うよう権限を与えた。
棒引きの原因について、包商銀行は11日、人民銀行(中央銀行)と銀行保険監督管理委員会に、同銀行が「生き残れない上、事件を引き起こす」可能性があると指摘されたためだとした。
同銀行は、「2015包行二級債の募集説明書」に記載されている棒引き条項に基づき、65億元の元本を全額棒引きすると決めた。また、未払いの利息、5億8500万元(約93億円)分も今後支払わないと決定した。合わせて70億8500万元(約1121億円)。
二級資本債(Tier 2 capital)は、劣後債または補完的自己資本とも呼ばれる。一般無担保社債(優先債)と比べて、元本や利息の支払いの順位が低い。
中国メディアの報道によれば、包商銀行の同社債の棒引き条項は、包商銀行が債権者の同意なしに、同社債の元本の一部または全部を棒引きできると定めた。棒引きされた後、回復することはできないという。
(翻訳編集・張哲)
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