2020年10月に懲役刑を受けた法輪功学習者の地域分布グラフ(明慧網より)

10月、中国当局が法輪功学習者65人に懲役刑 80歳女性も

中国当局は10月、伝統気功グループ、法輪功の学習者65人に対して、不当判決を言い渡したことがわかった。うち19人は65歳以上。最高齢は80歳だ。法輪功情報サイト「明慧網」が11月4日、報じた。

明慧網によれば、65人は中国の20の省・市などの住民だ。省別でみると、山東省が最も多く、16人に不当判決が言い渡された。また、遼寧省は8人、四川省7人、広東省6人となっている。また、65人のうち16人は、15万元(約240万円)の高額な罰金を科された。中国当局の隠ぺい体制により、実際に実刑判決を受けた中国各地の法輪功学習者は65人を上回っているとみられる。

65人のうちの1人である河北省保定県の小学校女性教諭、朱素栄さん(45)は、判決に不服があるとして上告した。朱さんは、病弱だったため、健康促進の目的で1999年から法輪功を習い始めた。昨年10月、地元警察は、授業中にもかかわらず朱さんに対して嫌がらせをした後、連行した。朱さんの自宅に侵入し盗みを働こうとした男が、家にあった法輪功の書籍をみつけて警察に通報したためだという。しかし、警察は男を拘束しなかった。

今年5~7月までに開かれた3回の公判で、朱さんの弁護士は完全無罪を主張した。朱さんも法廷で、警官らが取り調べで朱さんの手を掴み、予め用意していた自白調書に強引に拇印を押させたと訴えた。

9月24日、河北省高陽県人民法院(地裁)は朱さんに対して、懲役3年10カ月と罰金5万元(約78万円)の判決を言い渡した。

朱さんが拘束された後、勤務先の学校関係者や生徒は、朱さんの無罪釈放を求める嘆願活動を起こした。

一方、四川省重慶市に住む80歳の女性学習者、陳貴芬さんは今年7月、街で法輪功学習者の無実を訴えるビラを配っていたところ、警官に拘束された。その後、収容された女性は脳溢血で倒れ、半身不随となった。2週間入院した。9月17日、入院中の陳さんは、無理やり病院から重慶市九龍坡区人民法院(地裁)に連れ出された。同日、地裁は陳さんに対して懲役1年6カ月と罰金1000元(約1万6000円)の判決を言い渡した。さらに当局の都合で、地裁は陳さんの実年齢を75歳に改ざんした。

また、今年7月中旬、吉林省農安県に住む法輪功学習者の姜全徳さんと妻の孫秀英さんは、自宅にいたところ連行された。66歳の姜さんはこれまで複数回拘束され、不当に懲役刑を言い渡された。看守所でさまざまな拷問を受けてきた姜さんは体調が悪く、7月に拘束された当時、身体は非常に痩せていた。留置所で姜さんの身体は衰弱し、さらに悪化して、その40日後に死亡した。遺族によると、姜さんの遺体には拷問による傷跡が多数あった。拘束された妻の孫さんは、夫を看取ることが許されなかった。

山東省曲阜市に住む法輪功学習者、劉洪蘭さんら4人は2019年9月、劉さんの自宅に集まったところ、「違法な集会を行った」として警察当局に拘束された。10月22日、地裁は4人にそれぞれ3年~3年6カ月の実刑判決を言い渡した。

法輪功は中国の伝統気功法で、「真・善・忍」に基づく佛家修練法である。1992年、創始者の李洪志氏によって公に伝えられた後、愛好者の人数が急速に増えた。1999年、中国当局が実施した統計では、当時中国国内の法輪功学習者は7000万人を上回った。同年、江沢民政権は一方的に法輪功学習者を「不法な集団」と決め付け、取り締まり政策を始めた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

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