中国、トウモロコシ価格が高騰、4年ぶりの高値

中国の7~9月期の食糧価格が大幅に上昇したことがわかった。なかには、トウモロコシの1トンあたりの価格がおよそ4年ぶりの高水準となった。専門家は、中国のトウモロコシ輸入規模が今後、さらに拡大するとした。

中国メディアによると、10月初めの大型連休が終わって以来、トウモロコシの価格が上がり始めた。現物市場では、トウモロコシの値段は過去最高の1トンあたり2600元(約4万1119円)を上回り、およそ4年ぶりの高値となった。現物市場では、トウモロコシの価格は2017年から上がり続けた。17年の安値と比べて、現物価格の上昇幅は約62%で、1トンあたり1000元(約1万5815円)超上昇した。

また、先物市場では、主力商品のトウモロコシ21年01月限(C2101)は10月16日、一時過去最高の1トンあたり2629元(約4万1577円)に達した。10月21日午前10時55分現在、C2101は1トンあたり2595元(約4万1040円)。同先物価格は今年1月以降、約42%上昇した。

中国トウモロコシ取引情報サイト「玉米網」の馮利臣社長は、中国紙・華夏時報に対して、年内に中国のトウモロコシの輸入は1000万トンを超えると明らかにした。同氏は、今後、海外からの輸入をさらに拡大すると述べた。

トウモロコシの主要生産地である東北部の3つの省は、干ばつや台風などの悪天候に見舞われ、各地で深刻な農作物被害が報告された。一部の地域では、6月にバッタの大群の発生もあった。馮氏によると、天候要因のほかに、近年、黒龍江省を中心にトウモロコシの畑が大幅に減少したことも、供給不足につながった。

一方、中国の業界関係者はトウモロコシの工業用需要が大幅に増加したことも価格を上昇させたと指摘した。特に、トウモロコシから精製される工業用アルコール、燃料エタノールなどの需要が高まったためだという。

馮氏によれば、最近の豚肉の価格の下落で飼料用のトウモロコシの需要がやや下落した。しかし、デンプンや甘味料、アルコール、食品などのトウモロコシ加工企業は、価格高騰で「赤字に陥っている」という。

(翻訳編集・張哲)

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