中国企業ドル建て債の不履行、昨年3倍の約1.3兆円=香港紙
フランス投資銀行ナティクシス(Natixis)の統計によると、今年に入ってから、中国企業のドル建て債の不履行(デフォルト)規模が120億ドル(約1兆2645億円)に達し、昨年1年間の3倍となった。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが9月23日報じた。
報道によると、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の世界的な大流行、米中対立、原油価格の低迷などで、中国企業の返済能力は低下し、デフォルトが急増した。各分野の中で、今後、不動産企業と半導体企業のデフォルトリスクが高くなるとの見通しだ。
中国当局は8月末、不動産企業の債務急拡大を防ぐため、資金調達規制を実施し始めた。各企業は流動性が圧迫しているため、今後、ドル建て債務の返済がさらに難しくなるとみられる。
また、Natixisのアナリストは、中国の半導体およびハイテク企業のデフォルトリスクが高まっていると指摘した。中国の半導体メーカーなどの海外向け収益は高かったが、米中貿易戦以降、グローバルサプライチェーンが見直され、中国半導体企業の収益が減少した。さらに、中共ウイルスの世界的大流行で、グローバルサプライチェーンの再構築が一段と進んでいることや、米政府による中国半導体企業などの禁輸措置も、デフォルトリスクの高まりにつながっているという。
一方、Natixisの専門家は、中国国有企業のドル建てデフォルト率が初めて民間企業のデフォルト率を上回ったと指摘した。
北京大学系列国有IT企業、北大方正集団はすでに5銘柄のドル建て債を不履行した。総額17億ドル(約1791億円)。
中国天津市が保有する天津物産集団も5銘柄のドル建て債が不履行となった。総額は17億5000万ドル(約1844億円)。同社は今年6月、地裁に破産・債務再編手続きを申し立てたと発表した。
(翻訳編集・張哲)