「一日一日を大切に」 生後3カ月で小児がんと闘う赤ちゃんが教えてくれたこと

カナダのオタワに住む1歳のテッサ・ホジソンちゃんは、生後3カ月の時からがんと闘っています。8月5日、テッサちゃんは生まれて初めての誕生日を風船で飾り付けをし、ピンクのプリンセスのようなドレスを着て盛大に祝いました。お誕生日を祝ってもらったテッサちゃんの顔は満面の笑みで溢れていました。

「テッサは今日で1歳です! 私たちは小さい体で病気と闘う我が子をとても誇りに思っています。テッサはこれまで大変な道のりに耐えてきましたが、ますます強くなっています!」彼女のお母さん、レイチェル・パスカスさんは、Facebookに投稿しました。

幼いテッサちゃんが今まで辛い治療を乗り越え、1歳を無事迎えることができ、両親は心の底から嬉しく思っていました。エポック・タイムズ紙とのメールインタビューで、レイチェルさんは、病魔と闘う強いテッサちゃんのこれまでの道のりを話してくれました。

 

(Courtesy of Rachel Pascas)

テッサちゃんの誕生

夫のロブ・ホドゴソンさんと結婚し、2018年にテッサちゃんがお腹にいると分かって二人は「嬉しくて歓喜した」そうですが、レイチェルさんは数カ月前に流産を経験していたので、再び赤ちゃんを身ごもり、嬉しい気持ちよりも不安の方が大きかったそうです。

テッサちゃんは2019年8月5日に、無事産まれました。生まれてからの最初の3カ月間は、すべてがうまくいっているように見えました。しかし、11月のある日からテッサちゃんは頻繁に嘔吐を繰り返すようになりました。「私はテッサが脱水症状になるのではないかと心配して、病院に連れてきました。私はそれは単に酸が食道へ逆流したためだと思ったのです」とレイチェルさん。

それから家族は緊急治療室で一日を過ごし、テッサちゃんは超音波検査とCTスキャンで検査をしました。すると、テッサちゃんは脳の左頭頂葉に6×5センチの腫瘍があることが分かったのです。

テッサちゃんの診断

レイチェルさんはオタワ病院で脳神経外科の看護師をしており、自分の娘の検査結果を聞いて病気のこともよく知っていたため、娘の検査結果を聞いてとてもショックを受け、恐怖で胸が張り裂けそうでした。

「私はその病気がいかに深刻か分かっていたので、正直、最初は悪い冗談だか何かだと思いました」

テッサちゃんは腫瘍を取り除くために12時間の脳手術を受けました。数週間後、シャント(血液透析を行う際、十分な血液量が確保できるように、動脈と静脈を体内または体外で直接つなぎ合わせた血管)が造設されました。オタワでの誘導化学療法とトロントでの集中化学療法と幹細胞移植の前に余分な体液を除去するためです。

さらに、2020年8月中旬に2つの小さな手術を受け、栄養を投与するためのチューブを胃に挿入しました。さらに8月25日には右腕の下のがん性のしこりを取り除くための大きな手術を受けました。

 

(Courtesy of Rachel Pascas)

テッサちゃんの非定型奇形腫様/横紋筋肉腫様腫瘍(ATRT)は再発性の腫瘍で、それが原因で右腕と右手の脱力と右目の視力の低下が起こるのです。

テッサちゃんの入院期間が長かったことで、発達が遅れるとレイチェルさんはとても心配していました。

試練と勝利

テッサちゃんの母親として、今までのこの辛い闘病生活を振り返ってみると、自分にとって一番難しかったのは、看護師と母親という二つの役割を切り離して考えなければならなかったことと、テッサちゃんのお姉さん、ライリーちゃんよりもテッサちゃんの方に費やす時間が多く、その罪悪感を上手くコントロールしなければならなかったことです。

テッサちゃんのそのいつも朗らかな性格のおかげで、家族も前向きにいることができるそうです。テッサちゃんは、慢性的な痛みを緩和するために多くの薬を飲んでいるのにもかかわらず、今までに会った赤ちゃんの中で一番にこにこしている赤ちゃんなのです。人生において辛い状況に耐えながら、その中で喜びを見つけることができる天使のような赤ちゃんです。

「テッサは地上に降り立った天使です。病気に強く立ち向かうテッサの笑顔を見ると、私も強い気持ちになります」とレイチェルさん。

 

(Courtesy of Rachel Pascas)

テッサちゃんの人生で最初の誕生日パーティーを開くことはレイチェルさん夫妻にとっても息抜きになり、1年を迎えたテッサちゃん家族にとっても大きな節目でもありました。

「病気を乗り越え1歳を迎えるこることができとても嬉しいです。ただ、テッサはこれからあと何回誕生日を迎えることができるのだろうか、と思うと胸が苦しくなります。テッサは、普通、一生の間に経験するようなことをこの短い1年間で経験してきました」とレイチェルさんは語ってくれました。

 

(Courtesy of Rachel Pascas)

「一日一日を大切に」

エポック・タイムズ紙がレイチェルさんに、強くあり続けるための哲学を尋ねたところ、彼女はこう答えました。「ロブと私は自分たちに約束したんです。娘の病気が私たちを引き裂くのではなく、私たちを一つにまとめ、より強い絆で結びつけてくれているものなのだという気持ちを忘れないでいよう、と。私たちは、常に『一日一日を大切に』と『前向きに考えよう!』、この二つを胸に生活しています。神様の思し召しですね」

またレイチェルさんたちは、オンラインでテッサちゃんの様子を公開しているので、世界中の人々から励ましや激励の言葉をもらえるそうです。レイチェルさんは、オンラインコミュニティからのみなさんの応援があるからこそ頑張れるのだと話しています。

 

(Courtesy of Rachel Pascas)

こういったレイチェルさんたちの活動が、小児がんに対する認識を広め、同じようながん患者の家族が世界にもたくさんいるということを知ってもらう機会にもなっています。

現在、テッサちゃんは、病院で放射線治療を受けています。

「私たちと一緒に祈り続けてください。医師からはこの放射線治療は効果が見込めないと言われていますが、私たちは奇跡を信じています!」とレイチェルさんはフェイスブックに投稿しました。

(Courtesy of Rachel Pascas)

(大紀元日本ウェブ編集部)

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