2016年3月3日、習近平氏と王岐山氏が中国人民政治協商会議の開幕式に出席した(Lintao Zhang/Getty Images)

中国王岐山副主席、3カ月ぶりに公の場に 習氏との関係に変化との見方も

中国の王岐山国家副主席は「抗日戦争勝利記念日」の3日、北京で行われた「戦勝75周年」の式典に出席した。3カ月間、公の場に姿を見せなかった王氏は、友人で実業家の任志強氏が習近平氏を批判したあと、「王氏の習氏への影響力がなくなった」との見方が出ている。

9月3日午前、中国共産党最高指導部の7人全員と王岐山国家副主席らが「戦勝75周年」の式典に出席した。王氏の出席に、外界の注目が集まった。王氏が最後に公の場に現れたのは、5月末の全国人民代表大会(国会に相当)の時だったという。

香港紙アップルデイリーによると、習近平政権の発足直後から、王氏はかつて腐敗幹部一掃の運動を仕切り、習氏の権力基盤を強固なものにした。しかし、事実上のナンバー2だった王氏は習氏との関係性に変化があったとの見方が出ている。

大手不動産開発会社トップを務める任志強氏は中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大について指導部の初動の遅れが原因だと批判した。さらに「化けの皮がはがれても皇帝の座にしがみつく道化師」とその矛先が習氏にも向けられた。同氏は3月中旬から行方が分からなくなり、のちに長男と秘書も同時逮捕されていたことがわかった。

任氏の父は王岐山氏の義父で党の長老である姚依林氏に仕えていたことから、2人は親しい関係にある。任氏の踏み込んだ批判が習氏の逆鱗に触れ、指導部はいかなる人も任氏の件に介入してはならないとの指示を出したという。王氏は習氏との関係に変化があり、習氏に進言する立場ではなくなったとの見方があった。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]