比マニラを「中国の省」美容製品ラベルに誤記 市長は中国商人に強制送還を要求

フィリピンの首都マニラで販売されていた美容製品に、製造地ラベルが「中国マニラ省」と誤記されていた。事態を重く見たマニラ市長は、同商品を販売した4店舗を8月20日までに閉鎖させた。また移民局に対して、この事案に関与した2人の中国人ビジネスマンの強制送還を要求した。

閉店に追い込まれた店は同市の観光名所ディビソリアモール(Divisoria Mall)内に位置する。イスコ・モレノ(Isko Moreno)市長は自身のフェイスブック上で、「閉店を要求する当局者を映した」ライブ動画を配信し、当日午後10時の時点で合計3万8千以上の「いいね!」と7500回以上のシェアを集めた。21日までにこの映像の再生回数は300万回を超えた。

フィリピン・スター紙(Philippine Star)の報道によると、チームをモールに率いたマニラ市許可証局のレヴィ・ファクンド(Levy Facundo)局長は、「同製品はフィリピンの都市を中国の省と誤認し、関連する法律に違反している」と指摘した。

事件の発端は、最近フィリピンのネット上で炎上している1枚の写真だ。フィリピンで販売されているヘアケア用クリームの製造元住所が「中華人民共和国マニラ省サンニコラス地区、サンクリストストリートNo.707、1階、中華人民共和国製造」と表示されていた。

台湾の中央通信社(CNA)の報道によると、サンニコラス近郊のビノンド(San Nicolas Binondo)はフィリピンでも有名な中国人街で、多くの中国人がこの地域に住んでいるという。 ファクンド局長は「ビノンドは中国ではなく、マニラにある」と強調した。

モレノ市長は、事件に関与した2人の中国の商人をソーシャルメディアで批判し、「自分はマニラ市長であって、中国の知事ではない」「マニラにおいて違法なビジネスの居場所はない」と強調した。モレノ市長によれば、このクリームはパッケージ上に「バッチ・ロット番号」と「会社や製造元、責任者の名前と住所」を正確に示していないため、食品医薬品局(FDA)に違反している。

同国のジェリコ・ノグラレス(Jericho Nograles)下院議員は、「問題のヘアクリームの販売禁止」を貿易産業省に要請したという。

同製品をめぐる論争に対し、フィリピン大統領報道官のハリー・ロケ(Harry Roque)氏は「フィリピン人は皆、この国を愛している。誰も私たちが中国の省だとは思っていない」と述べた。

一部のネチズンは「中国の商人は傲慢すぎる。この誤記は意図的なものだ」「フィリピンを破壊したいという中国共産党の野望は、みんなが知っている」とコメントを残した。

(大紀元日本語ウェブチーム)

関連記事
急増するサイバー犯罪に対処することを目的として、フィリピン政府と民間部門はサイバー耐性の向上や訓練プログラムといった一連のサイバーセキュリティイニシアチブの実施に乗り出した。
[マニラ 19日 ロイター] - 強力な台風に襲われたフィリピン中部のボホール州で、少なくとも72人が死亡した。アーサー・ヤップ州知事が19日明らかにした。犠牲者数はフィリピン全土で100人を超えている。 ボホール州はロボック川などフィリピンの人気観光地を抱える。ヤップ知事は、現在の死者数は一部の報告に基づいたものにすぎないと述べ、実際はまだ増加する可能性を示唆。フェイスブックのアカウントを通じて
南シナ海で座礁しているフィリピン海軍の老朽軍艦に物資を補給する比民間船舶の作業を妨害した中国は、その後同座礁船の撤去を要求したが、2021年11月下旬、フィリピン国防相は同座礁船を撤去しない意図を表明した。
2021年7月にフィリピンの地理空間分析会社が発表した報告書によると、中国籍の船舶が投棄した海上廃棄物によりフィリピンの環礁と諸島周辺の脆弱な生態系に大きな損害が発生した。
南シナ海や台湾海峡で中国共産党(以下、中共)の脅威がエスカレートしている中、元フィリピン海軍副提督ロンメル・ジュデアン(RAdm. Rommel Jude Ong)氏は、米政府系ボイス・オブ・アメリカ(VOA)とのインタビューで、フィリピン、台湾、日本は防衛面で密接な関係にあると述べ、3カ国が協力して対中国防衛政策を展開することを呼びかけた。