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狼? 犬? 鹿? 珍動物発見 その正体とは?

世界には、鹿のような長い脚を持ち、狐のような顔をして、犬のように吠える動物がいる。

この珍種はタテガミオオカミと呼ばれ、2015年アニマル・ロジックによって南アメリカに生息していることが明らかになっている。

2009年の調査では、タテガミオオカミの最も近い親類に、現在、絶滅危惧種のフォークランド諸島のオオカミが確認されている。この2種は、約700年前に共通の祖先を共有していたと言われているが、タテガミオオカミはオオカミ類に属さない、全くの別種であることが分かっている。

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この珍しい動物は、ブラジルからウルグアイまで広がる南アメリカの草原に生息している。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(絶滅が危惧されている生物の中から、自然保護の優先順位を決定する指標となるリスト)によると、タテガミオオカミはまさに「絶滅危惧種」に指定されており、野生では約17,000匹の成体が確認されているが、そのうちの約400匹が捕獲されているという。またIUCNは、今後の人口推移が引き起こすタテガミオオカミの生息地への脅威を特定するためのさらなる調査が必要になると述べている。

成体のタテガミオオカミは、体重が20〜30キロあり、体高は90cmにも達する世界最大のイヌ科動物である。比較までに、成体のハイイロオオカミは体重こそ2倍ほどあるが、体高は80cmとはるかに低い。この、鹿のような長い脚を持つ利点には、背の高い草むらの中でも獲物を見つけることが可能な点があげられる。

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こういった体のつくりの違いの他にも、食べるものも一般のオオカミと大きく異なる。主に小鳥、ネズミ、ウサギなどの小動物をはじめ、魚や野菜も摂取する。特に野菜を好んで食べるが、その内訳の約75%を占めるのが芋類やサトウキビだという。また「オオカミのリンゴ」という愛称で呼ばれるトマトとナスが合わさったような野菜は、タテガミオオカミの大好物だとか。

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さらにタテガミオオカミにはもう一つ面白い特徴がある。

それは彼らの尿の匂いが、マリファナと同じだということだ。実際に2006年のロッテルダム動物園で、マリファナの匂いが充満していたため、地元の警察が出動する騒ぎがあったという。

遠くにいても匂うタテガミオオカミの尿。それからついた彼らの別名が「スカンク・オオカミ」である。

彼らの尿が匂う理由には、タテガミオオカミの発声の小ささが関係する。また、彼らは後尾をすると自分のテリトリーを尿でマーキングするが、その範囲は最大30平方キロメートルにまでも広がる。

オオカミ、鹿、犬の要素を含んだタテガミオオカミ。もしかしたら他にも面白い組み合わせでできた動物がこの世界には存在するかもしれない。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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