(写真提供 アップランド市警察)

警察に助けられた捨て犬、ヘイローの幸せな生活

ミッキー・カラン警部補は、Facebookで初めてヘイローの写真を見たとき彼女は署にぴったりだと思った。

6歳のピットブルは前の飼い主に捨てられてから1年以上も帰る家がない生活をおくり、その後、フィラデルフィアにあるラグズトゥリッチズ動物保護施設(Rags 2 Riches Animal Rescue)に保護された。彼らは彼女の家を見つけることを望んでいた。

彼女はだれもがペットに欲しがるような犬ではなかった。かみ傷があり、鼻口部には灰色のまだら模様が現れ、横になると片足が宙に突き出ていた。

(写真提供 アップランド市警察

しかし愛らしい仲間が警官隊に加わるという意味では彼女は完璧だった。

アップランド市警察のカラン警部補は、警察署の士気を高めると同時に困っている犬に家を与えたいと考えていた。彼は彼女のような不運な犬がたくさんいることを知っていたのだ。そしてヘイローを引き取ることはその両方に役立つと考えた。

取材に対しカラン氏は「彼女の歯はガタガタでかみ傷もありましたが、『彼女こそ僕らのための犬だ』と伝えました」と語った。そして「異例のことだとは思いますが、警察署で犬を救助し住まわせても良いでしょうか」と上に伺いをたてた。

ペンシルベニア州フィラデルフィア、ラグズトゥリッチズ動物保護施設(スクリーン・ショット/Google マップ)

ラグズトゥリッチズの責任者、ティッシュ・メイヨー氏は、この組み合わせを耳にして感激した。「すばらしいことだと思いました。この犬はどんな環境にも溶け込むはずです」

こうしてヘイローは2019年3月にアップランド警察署に引き取られた。

「警察署犬なんて聞いたことがありませんが、私たちは24時間年中無休でここにいますし、家のない犬たちがたくさんいますからね」とカラン氏は語った。「特に家庭内暴力や自動車事故などの厳しい現場から帰ってきたとき、チームの士気を高めてくれると思ったんです。彼女が尻尾を振って出迎えてくれたら、1日が少し楽になるでしょう」

当初は警察署のセラピー犬にすぎなかったヘイローだが、17カ月後には正式にアップランド市警察の警察犬に就任した。

(写真提供 アップランド市警察)

これを知った市民らが頻繁に警察署を訪れるようになり、彼女はすぐにアップランド市の顔になった。

もちろんヘイローは麻薬の匂いを嗅ぎ分けて悪人を捕まえる探知犬のような高度な任務をこなすことはできない。それでも、人と人とをつなげる彼女の業務もまたとても大切なものだ。彼女は警察署で人々を歓迎し、署の新しい顔として地域のイベントにも参加していく予定だ。

「私たちは彼女に、警察官たちの絆を深め、厳しい業務を終えた彼らを手助けする存在になってほしいと思っていました。しかし蓋を開けてみると、地域をまきこむ署の広報担当として活躍してくれました。これは予想もしていなかったことです」とカラン氏は語った。

(写真提供 アップランド市警察)
(写真提供 アップランド市警察)

7月14日、仲間の警察官たちの前で正式に宣誓式が行われた。ヘイローは誓約書に足型で署名しバッジを受け取った。

「彼女は誓いを立て、足型で署名もしました。これで正式な警察犬です」とカラン氏は語った。

 

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
内なる不満を見つめ、愛を与える方法を通じて、心の癒しと新たな可能性を見出すヒントをご紹介します。
最新研究が脳損傷患者の意識の可能性を示し、医療や家族の対応に新たな光を当てます。
GoogleのAI「Gemini」が大学院生に不適切な発言をし、AI技術のリスクが改めて問題視された。企業の責任が問われる中、AIの安全性や倫理が注目されている。類似の事例も増え、技術の普及とリスクのバランスが課題となっている
健康な心血管を保つための食事、指圧、運動の実践方法を解説。心臓病予防のヒントが満載です!
専門医が語る乳がんリスクの主な要因と予防のポイントを解説。生活習慣の見直しで健康を守りましょう。