在サンフランシスコ中国総領事館、FBI指名手配の軍女医をかくまう=米メディア

サンフランシスコ中国総領事館は、連邦捜査局(FBI)がビザ不正取得の容疑で捜査中の中国軍女医をかくまっていると明らかにした。米ニュース・サイト「Axios」が7月22日、伝えた。

7月20日、米検察官がカリフォルニア州北部地区の連邦地方裁判所に出した文書によると、中国人女性、ジュアン・タン(Juan Tang)は、J-1(交流訪問者)ビザを取得した後、カリフォルニア大学デービス校で研究活動を行っていた。しかし、ビザの申請時、タンは中国軍との関係を伏せた。FBIの調査では、タンは現役軍人で、中国人民解放軍空軍軍医大学(別名は中国人民解放軍第四軍医大学)所属の研究者だとわかった。

FBIが今年6月20日、タンの自宅を捜査し、中国軍との関係性を示す物証を得た。同日、FBIはタンに事情聴取も行った。6月26日、タンはビザの不正取得で起訴された。しかし、事情聴取後、タンが在サンフランシスコ中国総領事館に逃げ込み、FBIは、タンが現在も同総領事館内に留まっているとみている。

同文書は、ビザの不正取得容疑で起訴された別の女性中国軍関係者、シェン・ソン(Shen Song)にも言及した。ソンもJ-1ビザで入国し、スタンフォード大学で研究活動を行っていた。FBIは、ソンが中国人民解放軍空軍総医院(別名は中国人民解放軍空軍医学特色中心)と第四軍医大学の研究員である経歴を隠したと訴えた。

「Axios」が報道した1日前に、米政府は在ヒューストン中国総領事館に対して、72時間内に閉鎖するよう命じた。米国務省のオルタガス報道官は声明で「米国の知的財産と米国民の個人情報を守る」と説明し、「中国による主権の侵害や米国民への脅迫を容認しない」とした。

トランプ米大統領は22日、ホワイトハウスでの記者会見において、米国内にあるほかの中国総領事館の閉鎖について「いつでもあり得る」と述べた。

米国にある中国在外公館は、在ヒューストンと在サンフランシスコ中国総領事館のほかに、在ワシントンDC中国大使館、在ニューヨーク中国総領事館、ニューヨークにある国連本部に常駐する代表団、在ロサンゼルス中国総領事館、在シカゴ中国総領事館がある。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。