香港最後の総督パッテン卿は「膨大な利益を得るために、中国共産党に翻弄されてはいけない」と述べた。(Oli Scarff/Getty Images)

香港最後の総督パッテン卿「西側は利益のために自ら欺くな」香港国安法巡り

イギリス最後の香港総督だったパッテン卿(Lord Patten)は5月22日、中国共産党による「香港版国家安保法制」の導入は香港の人々を裏切ったと述べた。同氏は、欧米諸国は北京の命令に従えば莫大な利益を得ることができるという考えをやめるべきだとした。「これ以上騙されてはいけない」

中共は香港に対する統制を強化するために、5月22日、「香港版国家安全保障法」の草案を発表し、28日の全国人民代表大会で草案の導入を正式に承認した。 アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど各国は、これは「一国二制度」への違反だと非難する声を上げている。

パッテン卿は1992~1997年まで香港の総督であり、中国への主権返還を監督していた。英国には香港を守る「道徳的、経済的、法的」責任があると述べた。香港の高度な自治は、英中共同宣言の「一国二制度」によって保障されているが、「国家安全保障法」の導入が英中共同宣言を破壊しているという。

パッテン卿は、「私たちが直面しているのは、中国式の新しい形の独裁統治である。 英国政府は、これが英中共同声明を徹底的に破壊する行為だと明確に表明すべきだ」と述べた。

「膨大な利益を得るために、中国共産党に翻弄されてはいけない。それは幻想である。中共の意思に従わない限り、貿易機会を失うことになると西側は自分を騙してきたが、それは愚かな考えだ」

パッテン氏は、「香港版国家安保法制」は「都市の自治、法律の支配、基本的自由に対する全面的な攻撃」であると批判した。

英中共同声明の形骸化を避けるため、同氏は先日、英国外務大臣ドミニク・ラーブ(Dominic Raab)氏に書簡を出した。

書簡のなか、欧米諸国は中共から利益を得る空想をやめるべきであり、英国は中国の通信機器メーカーである華為技術(ファーウェイ)の5Gネットワークへの関与を真剣に検討すべきだと述べた。

ホワイトハウスの経済顧問ケビン・ハセット氏は5月22日、北京が「香港版国家安全保障法」を強引に導入すれば、中国経済に打撃を与えることになると述べ、 米国は中国に経済的な罰則を検討しており、中共をこのまま見過ごすわけにはいかないとした。

マイク・ポンペオ米国務長官も5月22日の声明で、中共が推進する「国家安全保障法」は香港自治の死を意味し、北京に提案の撤回を求めた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

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