中国武漢市にある焼き餃子の屋台(HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

中国、取り締まる対象の「露店」を奨励へ 景気回復の対策に

中国当局は5月下旬、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)と全国人民政治協商会議の閉幕後、景気回復対策として、「地攤(ディータン、露店)経済」を推し進めている。当局は2005年以降、都市景観を悪化させているなどとして、各地の「城市管理行政執法局(城管)」を通じて、露天商への取り締まりを強化してきた。当局の政策転換について、中国ネット上では、もてあそばれたとの声が上がった。

中国の李克強首相は5月28日、全人代閉幕後の記者会見で、月収1000元(約1万5000円)の中国国民は6億人いると発言した。また、「1000元では、中規模の都市で部屋を借りるのも難しい」と話した。

李首相は「雇用の安定、国民生活を守ること」が政府の最も重要な任務だと強調し、四川省成都市政府が雇用のために「露店経済」を導入したことを称賛した。

▶ 続きを読む
関連記事
中国の鉄鋼業は不動産不況やインフラ投資減速により縮小傾向。2025年までに鉄鋼輸出が5割減少すると指摘している
中共が誇示してきた「一帯一路」は行き詰まりを見せており、世界の少なくとも14か国で労働者への賃金未払いが発生していると指摘されている。​
キヤノンは、中国・広東省中山市にあるプリンター工場を事実上閉鎖した。日中関係が急速に冷え込む中、同工場の生産停止は中国からの生産移転と戦略的撤退の象徴として受け止められている
中国経済の悪化が続く中、多くの若者が失業や低賃金に苦しみ、親の援助に頼って生活している
かつては国際資本の非常に人気のある投資先であった中国市場は、現在では高リスクの環境とみなされている。