Karen Warfel/Pixabay

頭部が繋がった双子、27時間の大手術に挑む

アニアス君とジェイドン君は一般的な双子兄弟。しかし2人は頭蓋結合体といって、生まれた時から頭部が繋がったままだという。さらに2人は生まれてから一度もお互いの顔を見たことがない。

そんな2人は2016年、ニューヨークにある病院で大手術を受ける。手術は27時間と長時間ではあったものの、2人の頭部は無事切り離され、手術は成功した。

もちろん手術を行うことで2人に与えるリスクは大きく、発達障害はもちろんのこと、最悪、死もありえると宣告されていた。それでも両親は少しの可能性にすべてをかけ、勤め先を辞め、病院の近辺に滞在することを決意。病院側も、双子が2歳に成熟するまでに手術を行わない場合、死亡率が80%にも上ると伝え、手術を勧めたという。

手術費用に250万ドル(約2億7千万円)もかけられた、このオペを担当した医師ゴードリックさんは、頭蓋骨手術を手がける専門家の1人。双子は、5.5㎝分の脳組織を共有しており、さらに血管がそのまわりを囲っていたという。そのため、長時間の大手術になったのだ。まず、初めの16時間は頭部を切り離す作業に当てられ、残りの時間は頭蓋骨を元の形に整形する作業に当てられた。

無事成功した手術の後、双子は奇跡的な早さで回復していったという。母ニコールさんはフェイスブックで「アニアスははじめ、感染症、発熱、呼吸や食事摂取に問題がありましたが、今では完全に回復しました。これは奇跡としか言いようがありません。ただ彼は、体に障害を負っているようで、もしかしたらジェイドンより過酷な人生を歩まねばならないかもしれません。それでも私はアニアスの可能性を信じています」とコメントした。

手術から3年。2019年1月にクリスチャンさんとニコールさんはCNNに出演し、3歳に成長した双子の様子をこう語った。「早く回復した方のジェイドンは、個性に足が生えたような存在よ。車椅子での生活をしているアニアスは、可能性を秘めた空白のキャンバスって感じね」とニコールさんはコメント。

さらにクリスチャンさんは「この子達は普通の男の子たちと少し違うかもしれないけれど、だからって素晴らしい人生が送れないってことじゃないんだ」とコメントし、2人の将来の成長を楽しみにしているという。

たとえ今後、困難が立ちはだかっとしても、この2人ならきっと力強く生きていけることだろう。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。