【紀元曙光】2020年4月9日

親しみを込めて台湾と呼ばせていただくが、もちろん正式名は中華民國である。

▼その台湾の総統である蔡英文さんから、日本語で、すばらしいツイッターの言葉をいただいた。「日本の皆さんへ。手を携えてこの戦いに勝ちましょう!地震も、台風も、台日の協力で乗り越えてきました。だからこそ、勝ってまた会いましょう!(以下、省略)」。

▼一言一句が、なんと気持ちよく、私たちの心の中に入ってくることか。特に、最後の言葉「勝ってまた会いましょう!」には、筆者も思わず目が潤む。日本の安倍首相から、お礼の返信が送られたというが、台湾の皆さんは喜んでくれただろうか。

▼国際社会の第一の理念は友好親善である。ところが、これが実に形骸化されやすい。過去のことだが、「友好」を最大限に利用する共産党中国と、「友好」の甘美な響きと過度な贖罪感に惑わされた日本という、ひどく不均衡の「友好」があった。

▼その間、一部の人を除いて、多くの日本人(筆者も含めて)は台湾を理解していなかっただろう。台湾と言えば、戒厳令がおそろしいほど長く続く、何やら怖いところだと思っていた。大陸からは、「解放前は地獄。新中国は天国」「日本の進んだ科学技術を学びたい」などと、聞こえのいい話ばかり。ころりと騙された。

▼台湾の人々が示してくれたのは、軽薄な友好ではなく、人間として忘れ難い「恩」なのだ。日本統治時代の教師の恩。1999年「921大地震」のときの恩。その恩返しに、もとより見返りは求めない。私たちは、それを教えてくれた恩を、いつか台湾の人々に返そう。

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