武漢市、都市封鎖を解除 76日ぶり 5万5千人が市外へ
湖北省武漢市は4月8日午前0時(日本時間同1時)、1月23日から始まった都市封鎖が76日ぶりに解除された。市外に通じる幹線道路の通行が可能になり、中国各地に向かう飛行機や鉄道の運行も再開された。一部の市民や他の地方出身者は、封鎖措置の再発令を懸念し、次々と市を出ようとした。
今回の解除措置により、武漢から市外への移動が可能になったが、住宅地ごとの外出制限は継続される。
武漢市江漢区出身の陳さんは、勤務先の江蘇省無錫市の会社に戻ろうとした。陳さんによると、8日午前0時前には、市外につながる高速道路の料金所ですでに多くの車が待っていたという。
陳さんは「今のうちに早く武漢市を出たほうがいい。明日になったら、また違う措置が発令されるかもしれない。最近、(市内で)また感染者が出たから、封鎖措置が再び実施されるのではないかと皆が心配していて、武漢を離れようとしている」と大紀元に語った。
また、陳さんは、江蘇省に着いたら、隔離される可能性があるが、「とりあえず、武漢から出れればいい」と話した。
現在、内モンゴル自治区に在住している劉さんは1月、両親を訪ねるために武漢市に来たが、都市封鎖でそのまま滞在していた。
劉さんは7日午後11時ごろ、高速道路の料金所で封鎖措置の解除を待っていた。「武漢市を出る時、市の職員は私の健康証明書をチェックしなかった。料金所で待っているとき、後ろに数百台の車があった」と述べた。
「市は毎日のように内容の違う政策を公表しているから、また封鎖措置が出たら、もう耐えられなくなる。80日間ぐらいずっと家の中に閉じ込められたから。今出れるうちに出たほうがいい」
劉さんは内モンゴル自治区の自宅に戻った後に隔離される可能性があるとしたが、「それでもいい。自分の家に戻れるのがうれしい」という。
中国ポータルサイト「新浪網」8日付によれば、中国鉄道総公司武漢支社の統計では、封鎖措置解除後、武漢から276本の列車が上海や深セン市、成都などの各地に向かう。乗車券の販売状況から、約5万5000人の人が列車などを利用して、武漢市から広東省の広州市や深セン市に行くとみられ、当日の利用者全体の4割を占めるという。
SNS上では、8日に武漢市から出る際、市の役人らが健康検査などを行わず、核酸検査の結果や勤務先の稼働再開証明書の提示を求めなかったとの情報が寄せられた。
一方で、武漢市での中共肺炎(新型コロナウイルス感染症)の感染は収束していないとの声が出ている。市政府は6日、無症状の感染者が出たとして、市内70カ所の団地について、「感染者ゼロ団地」の認定を取り消したばかりだ。
(記者・顧暁華/凌雲、翻訳編集・張哲)