【紀元曙光】2020年3月16日

東京の桜が咲いた。3月14日の開花は観測史上もっとも早いという。

▼今年は例年のような宴会は控えて、心静かに花を愛でよう。都会の公園にも自然はある。時として慌てがちな私たちの日常に静寂を取り戻すには、ほころぶ花を喜び、鳥の声に耳を澄ませてみるに限る。

▼中国では、と書かねばならないのが、今は傷に塩がしみるように辛い。読者諸氏には申すまでもないが、中国では今、この世の地獄が現出している。「疫病との戦いに勝利した」「事態は収束に向かっている」などという中国当局の発表は、北朝鮮のテレビと同等のレベル、すなわち虚偽を超えた狂気に等しいレベルで、セメント化しているのだ。

▼今なにげなく「セメント化」と書いた。身動きできぬほど硬化した、という意味で使ったのだが、はて、どこで見た言葉かなと、自身の記憶をたどるのに多少の時間を要した。丸山真男『「である」ことと「する」こと』(岩波新書「日本の思想」)にあった。

▼その名著の内容を要約する紙幅は、小欄にはない。ただ言えることは、日本の戦後民主主義の時代であったから、私たちの先達はそうした思考の自由さをもつことができたが、もしも自国が共産主義、スターリニズム、マオイズムの国であったなら、つまり、人工的な「である」が巨岩の重さで民衆をつぶす国であったなら、人は狂わねば生きられないのである。

▼心の片隅では、日本で良かったと思う。しかし日本人は、それで止まっていてはいけない。中国に近いという地理的条件からしても、台湾とともに、避けられない使命が日本にはあるからだ。

▶ 続きを読む
関連記事
コーヒーは適量なら利点もありますが、過剰になると動悸、不眠、高血圧などの原因になる可能性があります。中医学の視点から、カフェインが体に与える影響と控えるべきサインを解説します。
首の痛みにカイロプラクティックは本当に効くのか。最新の大規模研究をもとに、効果が期待できるケースや安全性、他の治療との違いまでを丁寧に解説。迷っている人が判断しやすくなる実践的な知見をまとめました。
家庭にあるモノを芝生に撒くだけで、雑草の発芽を抑える効果があると専門家は説明します。化学除草剤を使わずに庭を守る自然な雑草対策を紹介します。
毎日の食卓に並ぶ魚やエビ。その可食部からもマイクロプラスチックが検出されたという衝撃の研究結果が明らかに。私たちの健康への影響は?知らずに口にしている現実と今後の課題を詳しく解説します。
子どもを守るつもりの行動が、実は自信や回復力を弱めていることがあります。心理学者が指摘する「過度な養育」の5つのサインと、子どもの自立を育てる関わり方を解説します。