米議員、中国依存の医療品サプライチェーンの見直し促す法案を発表
米国下院議員は2月27日、政府に対して、医療製品の中国依存度を調べ、米国の医療サプライチェーンを確保するよう求める法案を発表した。
2月27日、ジョシュ・ホーリー(Josh Hawley)下院議員は自身の公式サイトで、「医療サプライチェーン保障法案」を紹介した。法案は、中国にサプライチェーンを持つ米医薬品や医療用品生産メーカーは政府と連携を取り、中共ウイルス(新型コロナウイルス)による影響に対応し、供給の安定化を図るべきだとした。
中国は世界中の製薬工場に原料を輸出している。さらに、マスクや手袋などの医療用品も中国で多く生産されている。これまで、薬品のサプライチェーンは民間企業の占有情報で、公になることはなかった。今回の法案は、医薬資源のサプライチェーンおよび供給状況を政府が把握して、政治的な調整を試みるものだ。
この法律案が成立した場合、製造業者は「生産場所、すべての構成資源の調達、医薬品有効成分の調達、希少な原材料の使用」などの内容開示が義務付けられる。
ホーリー下院議員は、米ニュースサイト「AXIOS」2月23日付け報道を引用して、中国での中共肺炎(新型肺炎)の流行で、抗生物質や処方薬、特許薬など約150種類の医薬品が潜在的に不足していると述べた。
法案提出にあたり、ホーリー議員は声明で、今回の中共肺炎の流行は「米国の医療サプライチェーンの深刻な欠陥を浮き彫にした。これは公衆衛生の脅威だ」とした。
1月、ホーリー議員は米食品医療薬品局(FDA)に手紙を送り、中国からのすべての渡航者を制限することを提言した。また、公衆衛生当局者に「米国人を保護するために必要なすべての行動をとる」よう促した。
不測の事態による医薬品の供給網の脆弱性は、2019年から米議会で議論されている。FDAは、医薬品のサプライチェーン管理にブロックチェーンを活用したプロジェクトを承認するなどの対策を取っている。
(翻訳編集・佐渡道世)