(lin2015/Pixabay)

中国の昔話:塞翁が馬

昔、中国の北の胡の国の近くに、一人の翁がいました。

ある時、彼の馬が逃げ去ったため、近所の人々が慰めにやってきました。

翁は、「いいえ、これは幸先のいいことかもしれませんよ」と言いました。

数カ月後、逃げた馬は1頭の駿馬を伴って帰ってきました。人々は、お祝いを述べるために、翁のもとにやってきました。

すると翁は、「いいえ、これは禍の元かもしれませんよ」と答えました。

翁の子は駿馬に乗ることを好んでいましたが、ある時、落馬して肘を折ってしまいました。人々が慰めにやってくると、翁は「これもまた、幸先のいいことかもしれませんよ」と平然と答えました。

その後、1年ばかりして、秦の始皇帝が胡を治めるために、万里の長城を築きました。健康な男子は人夫として駆り出され、死亡する者も多かったのですが、翁の子どもは肘を折っているため、夫役(ぶやく)を免れました。

このため、世の禍福のはかり難いことを、ことわざで「人間万事塞翁が馬」と言います。

参考:明治二十年尋常小学校読本

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

関連記事
曹植が兄・曹丕の試練に詩で答える物語。家族間の争いと深い悲しみを豆と豆殻で表現した心に響く詩。兄弟の絆と知恵に思いを馳せる一篇です。
チューインガム1枚で数百〜数千のマイクロプラスチックが唾液中に放出される──UCLAなどの最新研究が示した、意外な“日常的曝露”の実態とは。
人に悪く言われても、怒らず、謙虚に接した翟方進。 相手の敵意を消し、関係を円満にしたこの逸話は、『漢書』に記された2000年前の人間関係の知恵です。 一歩引く勇気が、道を開きます。
東京の春を切り取った18枚の静止画を通して、春の希望と喜び、そして前向きに生きる活力を感じて頂けたら幸いです。
ローゼルは抗酸化成分が豊富で、血圧・血糖・脂質を下げ、がんやアルツハイマーの予防にも効果が期待されます。美容やダイエットにも有効で、薬食同源の代表食材として注目されています。