【紀元曙光】2020年2月17日

見えないウイルスに注意しながらも、私たちは正常な生活を崩してはならない。それに加えて日本は、今年最大のイベントである東京オリンピック・パラリンピックに向けて、その準備を安全かつ着実に進めなければならないのだ。

▼おそらく世界中の人々が今、心の片隅でこう思っている。「トウキョウ、大丈夫か?」。その懸念は根拠がないものではなく、中国武漢に発した新型コロナウイルスの病禍が、まさに世界各地に飛び火しているからに他ならない。

▼それに対して私たちは(日本国民は、と言ってもよい)どういう心構えであるべきか。思えばオリンピックというスポーツの祭典には、必ずと言ってよいほど「直前の困難」や「開催中の事件」が生じるようだ。ならば今回も、まず腹をしっかり据えよ、である。

▼会場となる施設の完成遅れなどは大した問題ではない。1972年ミュンヘン五輪ではアラブゲリラによるイスラエル選手へのテロ事件があった。80年モスクワ五輪は、ソ連のアフガン侵攻に抗議して西側諸国が参加ボイコット。84年ロサンゼルス五輪には、ソ連と対立していた中国とルーマニアを除く東側諸国が報復ボイコットを行った。

▼過去の事例について、政治的な背景を小欄に書くつもりはない。筆者も都民の1人だが、目前に迫った東京オリ・パラを、開催都市として無事に終わらせたいと願うだけである。

▼1964年の東京五輪は、敗戦国・日本の驚異的な復活を世界に示した。ならば2020年は、東日本大震災からの復興に加えて、新型肺炎に対する世界人類の勝利を示すものでありたい。

関連記事
中国古典舞踊の最高峰・神韻芸術団は20日に来日。待望の2025年神韻世界巡回ツアーが23日に日本の名古屋で開幕する。
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。