在米中にツイッターで体制批判 中国留学生、帰国後に禁固6カ月
米国の大学に留学後、中国に帰国した大学生は、在米中にソーシャルサイトで体制批判の投稿をしたことで刑事罰に問われ、禁固6カ月を言い渡された。米上院議員は中国政府を「全体主義の真の姿」と批判し、学生を釈放するよう呼びかけている。
米メディア・Axios22日付けは、入手した中国の裁判記録を引用して報じた。2018年、米国ミネソタ大学に留学した中国湖北省武漢出身の大学生ルオ・ダイチン(Luo Daiqing、20)さんは、2019年7月に帰国した。
帰国後、逮捕されたという。学生には同年11月、刑事裁判で「扇動」の罪で6カ月の禁固刑を言い渡された。この刑期確定の前の拘留期間4カ月間も刑期に含まれるという。
学生はSNSツイッターで、中国共産党を批判し、習近平国家主席をアニメのキャラクターとして揶揄するツイートを40あまり投稿していた。罪は「下品な画像で国家指導者のイメージを失墜させる試み」「負の社会的影響を生み出した」という。
アジア法律センターの共同代表ジャック・デイル氏は、米ABCチャンネル5で「中国人留学生の海外での行動は、帰国後に影響する」とし、留学生同士が互いに監視して、中国当局に通報することがあると述べた。ソーシャルサイトでの発言も、共産党政権の監視のもとにあることが示されたとした。
この事案の報道を受けて、ベン・サス上院議員(共和党)は米ワシントン・タイムズの取材に対して、中国共産党体制の「冷酷で偏執的な全体主義の真の姿」と例えた。また中国当局に学生を釈放するよう求めた。
コリー・ガードナー上院議員(共和党)はツイッターで23日、海外での言論の自由を抑圧しようとする中国政府を批判した。「米国の大学は、世界が直面している課題について、思考と議論を奨励する場所だ。 中国はこの民主主義の基本を黙らせようとしている」
大紀元英字版は、学生の報道を受けてミネソタ大学に問い合わせた。現時点では、大学は報道内容以外のことは知らないと回答した。
中国人学生は海外にいても、共産主義政権による監視システムから自由にはなれない。マイク・ペンス副大統領は2018年のスピーチで、地域の中国大使館および領事館と密接な関係を持つ、海外の大学内にある中国学生協会は「学生が共産党の隊列からはみ出ると警告を送る」と述べた。
(吳英・CATHY HE/翻訳編集・佐渡道世)