【紀元曙光】2020年1月1日

大海原に、光芒を立てて朝日が昇る。その天象を神にも等しい存在と見る国民は日本人だけであろう、と言っては筆の走り過ぎかもしれない。ただ、今日はお許し願いたい。年頭に当たり、わが身を清めるつもりで粛然と日の光を浴びたいからだ。

 言うまでもなく、日の出を描写した文字が「旦」である。ゆえに一年の始めを元旦という。その漢字を生んだ国から見た東方、つまり日出ずる海上に浮かんでいるのが、わが日本である。古くは「ひのもと」という和訓でも称した。

 ふと思う。それを国名として最初に「日本」と呼んだのは、中国であろうか、日本であろうか。その起源は、よく分からない。地理的な配置からすると「中華から見て東夷の国」なのだが、それを先人が逆手にとり、大国に並び立つ気概をもって、「われらは日本だ。倭ではない」と自尊したのではないか。

 それを裏づける中国側の記載が、10世紀の史書である『旧唐書』の「東夷伝」に散見される。7世紀の『隋書』には、有名な「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無しや」の言葉がある。同等のもの言いに隋の煬帝は激怒したが、高句麗と対峙していたため日本へ遠征軍を送ることはできない。本朝聖徳太子の硬骨をここに見る。

 和を以て貴しと為す。聖徳太子がつくった(とされる)十七条憲法は、国の憲法というより人間の道徳律としてみるべきだが、現代人が読んでも大いに有益である。和を貴重なものとする。しかし、その和に反する覇道は許さない。日本人の誇りと責任をもって、小欄「紀元曙光」の初日の出としたい。

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