北京のフランス大使館で、仏独両国の代表から、「フランスとドイツの人権・法治国家賞」の賞を受ける李文足氏(提供写真)

仏独の人権賞に拘束中の中国弁護士の妻 受賞式まで当局が嫌がらせ

フランスとドイツは12月10日、2015年の弁護士一斉拘束事件で逮捕された人権派弁護士・王全璋氏の妻、李文足氏に「フランスとドイツの人権・法治国家賞」を授与すると発表した。李氏は11日、授賞式のために在北京フランス大使館に向かう途中、私服警官と公安に行く手を遮られたり、嫌がらせを受けたりした。

フランスとドイツの両国は毎年12月10日、「世界人権デー」に合わせて、人権保護に貢献した組織や個人に対してフランスとドイツの人権・法治国家賞を授与している。

李氏は受賞について、「709事件」で拘束された弁護士、その家族、そして支援者全員に与えられたものだと述べた。

フランスとドイツ両政府は共同声明で、「李氏は被害者の家族と協力し、夫やほかの弁護士の釈放のため、勇気を持って平和的に運動を続けている」と受賞の理由を説明した。さらに、「李氏と家族はその過程で、脅迫や拘束、嫌がらせに苦しめられている」と言及した。

12月11日、在北京フランス大使館で李氏への授賞式が行われた。午後2時の授賞式のために、李氏は自宅を12時に出たが、北京市隣県の石景山区の国家安全保障当局者と数人の部下は、自宅前で待ち伏せし、李氏の進路をふさいだり、地下鉄駅構内を尾行したりした。その様子を李氏本人が撮影してインターネットに公開した。李氏は支援者の協力を得て無事、大使館に到着した。

王全璋弁護士はこれまで、社会的弱者や迫害されている法輪功学習者の代理人を積極的に引き受けていた。「709」弁護士一斉拘束事件で200人超が拘束され、多くの人はすでに釈放されたものの、王氏は唯一、まだ拘束中の弁護士となっている。

李氏は、夫の健康状態を心配している。11月19日、収監所で夫に面会した時、顔色は黒く、歯が3本抜け、内臓疾患を疑ったという。また、質疑応答も正常ではなかったとしている。「脅迫されているのかもしれない」という。

43歳の王弁護士は、2016年1月に国家転覆罪の疑いで検察に起訴され、2019年1月、懲役4年半の宣告を受け、4月に山東省臨沂収監所に移送され服役中だ。

今年のフランスとドイツの人権・法治国家賞は15の個人と組織に授与した。李氏の他に、暴力と虐待被害者のリハビリを助けるエジプトの人権組織アルナディム・センター(El Nadim Center)、ベラルーシの民主的指導者アレス・ビアリアツキ(Ales BIALIATSK)氏などが受賞した。2016年には、拘束された李和平弁護士の妻・王峭嶺氏が受賞した。

(翻訳編集・佐渡道世)

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