台湾セルフメディア「独眼新聞」を運営する市民のナンシーさんが、10月23日の記者会見で発言した(陳柏州/大紀元)

香港デモ支持の台湾市民の個人情報が流出 五毛による殺害予告も

ロシアのドメイン名で登録されたウェブサイト「香港解密」は、香港の抗議活動を応援する台湾市民8人の個人情報を無許可で公開した。うちの1人は、中国当局支持のネットユーザーから殺害予告のメッセージを送られていたことが分かった。

「香港解密」はこのほど、この8人のほか、香港デモ参加者や香港紙「蘋果日報」の記者など100人以上の誕生日、電話番号、住所、パスポート情報などの個人情報を次々と公開した。

台湾でセルフメディア「独眼新聞」を運営する女性市民、ナンシーさんは23日、政党の台湾基進党が開いた記者会見に参加した。ナンシーさんは、「香港解密」による個人情報の漏えいで、殺害をほのめかすメッセージを複数回受け取ったと話した。

ナンシーさんが2カ月前「独眼新聞」を運営し始め、香港市民の抗議デモなどを主に報道してきた。漏えいされた個人情報に、ナンシーさんのパスポートの番号も含まれている。「取材のため香港へ頻繁に行った。前回行った際、空港で香港入国管理局の職員に3時間以上止められた。香港政府が私のパスポート情報を漏らした可能性が高い」

またナンシーさんは、「このサイトには私の取材活動に関する足取りが詳細に書かれている」と香港政府が監視しているとした。香港での取材活動が危険になっているため、ナンシーさんは「独眼新聞」をやむを得ず一時閉鎖した。しかし、中国当局の支持者らは、SNSアカウントで「次の水死体になるのはあなただ」などのコメントを書き込んでいるという。「明らかに中国の五毛党は、香港市民を支持する台湾のわれわれをどう喝している」。五毛党は、中国当局のためにインターネット上で書き込みを行う世論誘導役である。

ナンシーさんは今後も香港の抗議デモをサポートしていくと示した。

台北市議員の苗博雅氏(社会民主党)は、「流出した個人情報を見る限り、政府機関関係者しか入手できない内容ばかりだ。ハッカーによるサイバー攻撃で得られない情報も多くある」と指摘した。

台湾基進党スポークスマンの顔銘緯氏は、個人情報は香港入国管理当局と警察当局が「香港解密」に提供したのではないかとの認識を示した。また、台湾市民の個人情報も入手できたのは、「台湾に中国共産党の工作員が、いまだに多く潜んでいるのではないか」と推測した。

「香港解密」は同党の陳弈斉・党首のプライバシー情報も公開した。顔氏によると、過去陳党首が「中国の白アリを駆除せよ」とのスローガンを叫んだため、同氏への攻撃情報を掴んだ台湾情報機関当局から「命の危険がある」との警告を受けたことがある。

顔銘緯氏は、台湾立法院(議会に相当)も米国のように「香港人権・民主主義法案」を通過させ、香港の民主主義を阻害した政府幹部や警察官に制裁を加えるべきだとの見方を示した。

中国国営中央テレビ放送(CCTV)は9月18日、中国版ツイッターの微博に投稿し、「香港解密」についての情報を「広く転載するよう」にとネットユーザーに呼び掛けた。

(記者・呉旻洲、翻訳編集・張哲)

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