法輪功迫害は海外でも 米司法省は宗教迫害の対応強化=討論会
米国政府高官は10月8日、米シンクタンク、ヘリテージ財団で行われた討論会後の記者会見で、中国共産党の法輪功に対する迫害は米国にまで及んでいると述べた。
米保健福祉省の公民権局局長ロジャー・セベリーノ(Roger Severino)氏は、中国当局による法輪功を含むすべての宗教の迫害レベルは「非常に深刻」だという。
司法省市民権利部門に7年間務めたセベリーノ氏は、在職中に担当した法輪功に関する裁判について語った。同氏は2008年10月、信条を理由に米ニューヨークのフラッシング地区で、レストランから飲食を拒否された中国人法輪功学習者の訴えを受けた。
2009年10月、ニューヨーク州人権委員会は、レストラン側の応対は「公共の場での宗教的な差別」で不適切であるとの判断し、関係者に7000ドルの賠償を命じ、差別撤廃のトレーニングの実施を義務付けた。
当時、フラッシング地区では、法輪功学習者の運営する共産党離脱を支援する事務所「脱党支援センター」が入るビル周辺で、暴徒による襲撃事件が4日連続で発生した。事務所にいた学習者が、頭を殴打されたり、ガラス板を投げつけられたりした。警察は暴徒を逮捕した。
この騒動について、国際的な人権擁護組織である法輪功迫害追跡調査国際組織(WOIPFG)が独自調査を行ったところ、駐ニューヨーク中国領事館の彭克玉総領事が、在米華僑団体に暴力行為を煽動していたことが分かった。WOIPFGは、当時の米下院議長ナンシー・ペロシ氏および連邦捜査局に、証拠となる音声記録を提出した。
法輪功は「真善忍」の原則に基づく佛家修煉法。1999年7月、当時の中国共産党政権・江沢民は、学習者の数が共産党員数を超えるほどの人気を博した法輪功を脅威とみなし、弾圧を決めた。
法輪功関連情報を伝える明慧ネットによると、中国共産党による法輪功迫害は江沢民の指示に基づく。2000年10月、官製メディアは江沢民の話として「法輪功との闘争は海外でも強化する」として、海外にいる学習者の情報収集を下部組織に命じた。
国内外の迫害情報を調べる明慧ネットの分析によると、各国にある中国大使館や領事館の職員による法輪功学習者への嫌がらせ(パスポートの更新の拒否など)、法輪功への誹謗中傷を各国政府に宣伝、スパイやならず者の暴徒を動員し、法輪功学習者に暴力を振るう、などの手口を使っている。
米国司法省のエリック・ドレイバンド(Eric Dreiband)次官補は、米国では憲法修正第1条に基づき、宗教の自由への抑圧には明確に反対していると述べた。「独裁による宗教の自由の抑圧は、人類の歴史における悲劇」と付け加えた。
ドレイバンド次官補は、このほど司法省は宗教的な憎悪犯罪を重点事案として取り扱い、公民権法第7編の宗教的保護条項に反する行為に及んだ者への対応を強化したと述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)