アマゾン安全監督ずさん 4000点は基準満たさず 多くは中国から匿名出店=WSJ
ネット通販大手アマゾン(Amazon)は、米政府の安全基準を満たさない製品数百点をサイトから取り下げた。米ウォール・ストリート・ジャーナルの調査報道によると、販売には不適切な4000あまりの製品の多くは匿名で、中国の販売業者だという。
報告によると、アマゾンはサイトで販売する製品の効果的な監督を積極的に行わず、放置している。このため、安全でない製品や違法な製品、または実際の内容とは異なるラベルが付いた製品が販売されている。
報道は、アマゾンの市場は自由放任なフリーマーケットのようになっていると指摘。「何百万もの販売業者が出店しているが、多くは匿名で、中国からだ。事業内容について、わずかな情報しか公開していない」とした。
アマゾンで販売されている子どものおもちゃ、医薬品などを含む4152の製品は、米政府機関による安全性の確認を受けていないという。その製品のうち、46%がアマゾンの倉庫から出荷されている。
報道を受けて、アマゾンは2000件あまりの販売業者や製品をサイトから取り下げた。しかし、引き続き数千の製品は出店されたままになっており、品質管理の甘さには疑問が残っている。
ウォール・ストリート・ジャーナルの調査担当は、アマゾンで購入した10の子ども向け製品を、安全品質業者に依頼しテストした。その多くは「Amazon’s Choice」(アマゾンの推奨アイテム)として販売されている。
4つの項目の品質検査の結果によると、ひとつのおもちゃは米国連邦安全基準が定める鉛(なまり)含有量を超えていた。
アマゾンは報道を受けて、疑わしく安全でない製品がサイトに掲載されないようにするツールを開発し、運用していると主張した。「顧客を保護するために多大なリソースを投資して、店舗で販売される製品の安全と法律準拠のための確かなプログラムがある」
中国のポータルサイト新浪は2017年12月、アマゾンの販売業者の8割は中国からで、深センからの出店が多いという。
中国電子商取引研究センターによると、2017上半期、越境電子商取引(EC)の総額は3兆6000億元で、そのうち、輸出は2兆7500億元だった。アマゾンのデータによると、中国の販売業者は全体の四分の一を占め、近い将来、その割合は増えると予想されている。
(翻訳編集・佐渡道世)