(Getty Images | LEON NEAL)

いじめられっ子の歌手がBGTのステージに立ちすくむも、その歌声に審査員らは驚愕

音楽的才能を秘めた2人の高校生ジョナサン(17)とシャーロット(16)は、オーディションのためブリテンズ・ゴット・タレント(BGT)のステージに立った。審査員のサイモン・コーウェルは彼らのオーディションは失敗に終わるだろうと思っていた。この後、衝撃的なパフォーマンスが待っているとも知らずに。

2人のパフォーマンス映像はこれまでにユーチューブで驚異の1億2,010万回再生を記録している。

ジョナサンとシャーロットがオーディションの演目に選んだのは「The Prayer(祈り)」だ。しかし控えめな高校生2人組のパフォーマンスに期待を寄せる者はいなかった。審査員との会話のほとんどを務めたのはシャーロットだ。「君はシャイなの?」サイモンからの容赦ない質問に、ジョナサンはただただ肩をすくめた。

ジョナサンは舞台裏でこのように語った。「物心ついた頃からこの身体にコンプレックスを持っていました。そのせいで自分に自信が持てなくなったんです」そんなジョナサンを変えたのは、味方になってくれるシャーロットとの出会いだった。一時いじめは深刻になり、ジョナサンはノイローゼに陥っていた。このオーディションのほんの3か月前のことだ。シャーロットは言う。「人を判断する前に相手をよく知ることがとても大切なんです」

「シャーロットがそばにいてくれなかったら、今日ステージに上がることはなかった」ジョナサンは心からそう思った。

(L-R) BGT Judges David Walliams, Ant McPartlin, Simon Cowell, Amanda Holden, Declan Donnelly, and Alesha Dixon (©Getty Images | Tim P. Whitby)

前奏の後、ジョナサンはマイクを持ち上げ歌い始めた。ジョナサンとシャーロットはとてもすばらしいオペラ歌手だ。彼らが歌い始めると、会場は驚きに包まれた。そのときのサイモンの表情は傑作だ。瞬く間に感動に包まれた観客たちは立ち上がって大歓声を送った。

ジョナサンのマイクは初めから終わりまで震えていたが音程は終始完璧。オーディションは2人の完全勝利だった。

Jonathan Antoine and Charlotte Jaconelli pose for photos at the Classic Brit Awards in London, 2012 (©GettyImages | LEON NEAL/AFP)

サイモンは歌が終わった瞬間に「すごい!すばらしい!」と大声で叫び、興奮のあまり机をたたいた。同じく審査員のアリーシャ・ディクソンは「美しいデュオでした。世界クラスの歌声だと思います」と絶賛、デヴィッド・ウォリアムスも「ポップスとオペラの歌声が重なり合って、すばらしかった」と称賛の言葉を述べた。そしてサイモンからも最高の賛辞が送られた。「シャーロット、あなたの歌声はよかった。ジョナサン、君は桁違いだ。本当に、並外れた美しい歌声の持ち主だ」

「君は未来のスターだよ」

しかし1つだけ問題があった。サイモンはこう付け加えたのだ。「君たちがデュオで活動するのは良いと思う。だがシャーロット、君が彼の足を引っ張ることにならないかが心配だ」しかし勇気を振り絞ったジョナサンは最高の返答をしてくれた。「僕たちはデュオとしてここまで来ました。そしてこれからもデュオとして歌っていきます」こうしてジョナサンとシャーロットは決勝まで駒を進めた。

その後も2人は活動を続け、サイモン・コーウェルのレコード会社から2枚のアルバムをリリースした。そしてジョナサンは2014年からソロ活動を開始した。ジョナサンの物語は人を外見で判断すべきではないことを示す絶好の例だ。「中身をよく見ないとダメなんです!」とシャーロットは語った。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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