Shutterstock

ローマ帝国時代の水差しから硬貨が発見!

2016年の4月、スペインの建設作業員が溝を掘っている最中にお宝を掘り当て、とても驚いた。彼らは紀元前3〜4世紀頃に作成されたと思われる19個の骨董品の水差しに入った1300ポンド(およそ5900キログラム)の古代ローマ帝国時代の硬貨を掘り当てた。

©Getty Images/GOGO LOBATO

溝を掘っている最中に機械が何か不自然なものに接触し、それが骨董品の水差しの発見に繋がった。掘り起こしているうちに壊れてしまったものもあったが、そのお宝は最終的に全て掘り起こされた。作業員たちは興奮のあまり、ただ水差しにいっぱい詰めた金貨をじっと見つめていた。

スペインのセリビアで発見された合計19個の水差しが、後にアンフォラ(古代ローマの入れ物の一種)であることが判明した。建設作業に使用された機械は少なくとも19個のうち10個を壊してしまったと見られている。

そのローマの銅貨の重さは1300ポンドほどあり、紀元前3〜4世紀のものであると推定される。「この規模の発見は信じられないのです。全部で19個の完全なアンフォラが見つかりました。中にぎっしり詰まった硬貨の重さを考えると、これらは一人では運ぶことが出来なかったものと断言できます。」とセリビアの考古学博物館の館長であるアナ・ナバロ氏は述べている。

「無作為に選ばれた硬貨には、確実にディオクレティアヌス、マクシミアーヌス、マクセンティウスのための銘刻があり、そしてコンスタンティヌウス1世、セヴェルス2世と思われる銘刻もほぼ確認出来ています。」「したがって、少なくとも現段階では、このお宝はテトラルキア時代(ディオクレティアヌスが293年に、3世紀初頭まで続いたローマ帝国を統治するために創設した政治制度の時代)まで遡ることができます。」と専門家たちは述べている。

発見された硬貨のほとんどは銅貨であるが、4%弱のものは銀であるかもしれないとされている。

貨幣に関する雑誌Coin Worldによれば、銅貨はフォリス宗派のものであり、それらは実際よりも銀の含有量が多いように見受けられ、銀は表面に集中しているように見え、特定の角度からは輝いて見える。「ほとんどの硬貨の保存状態は素晴らしい」とCoin Worldは述べた。

このなかなか見られない珍しいお宝の発見は、まだまだ知られていない歴史の大きな手がかりとなるだろう。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
内なる不満を見つめ、愛を与える方法を通じて、心の癒しと新たな可能性を見出すヒントをご紹介します。
最新研究が脳損傷患者の意識の可能性を示し、医療や家族の対応に新たな光を当てます。
GoogleのAI「Gemini」が大学院生に不適切な発言をし、AI技術のリスクが改めて問題視された。企業の責任が問われる中、AIの安全性や倫理が注目されている。類似の事例も増え、技術の普及とリスクのバランスが課題となっている
健康な心血管を保つための食事、指圧、運動の実践方法を解説。心臓病予防のヒントが満載です!
専門医が語る乳がんリスクの主な要因と予防のポイントを解説。生活習慣の見直しで健康を守りましょう。